「OneNoteを使い始めて1日も経たないうちに、手放せなくなっていた」
「へえ」
「そんな自分に気づいて愕然とした」
「どうして手放せないの?」
「理由は簡単だ。凄くアバウトで何でも飲み込むお手軽な入れ物であるにも関わらず、どこでも見られるからだ」
「どこでも?」
「仕事場でも自宅でも出先でも」
「どこのPCでもってことだね」
「WP7マシンでもな」
「OneNoteを使う前はどうしていたの?」
「秀丸に書いていた。基本的にメモはマシンごとに独立していて、自宅から仕事場のメモを編集したいときはリモートデスクトップ経由で書いていた」
「なぜ秀丸?」
「テキストファイルなら安全だからだ」
「読めるソフトは多いってことだね」
「ソフトで処理するのも簡単だ」
「そうだね」
「その点で、OneNoteに依存するのは怖いと思った」
「独自ファイルになるからね」
「でも、使い始めてすぐはまった。これは便利だ」
「でもさ。OneNoteを使うだけなら、昔とあまり変わらないよ。ローカルのアプリなんだから」
「そこで出てくるのがSkyDriveというわけだ」
「なるほど」
「クラウド経由で、データが同期される。セーブという概念も同期という概念も無い。立ち上げたままのOneNoteのデータも勝手に同期される」
「それは便利かも」
「便利だよ。そもそも、仕事場のメモと自宅のメモと持ち運ぶモバイルのメモは別物だったんだ。でも、今はシームレスに統合されてしまった」
「そうか」
「モバイルのメモというジャンルは消えてしまった。仕事場のメモと、自宅のメモは、今や同じOneNoteファイル内のセクションの違いでしかない」
OneNoteといえば §
「昔から、OneNoteは使いやすいと言っている意見にしばしば遭遇したが、やっと意味が分かってきた」
「君は出遅れているわけだね」
「そうさ。別に先頭を歩いているなんて豪語する気は無いよ」
「そういうことを言うと、また周囲から軽く見られるよ」
「それは問題ない」
「どうして?」
「大多数は最初から見てないから、見ない視線に軽いも重いも無い」
「ぎゃふん」