「ああ、今日は14日じゃないか」
「なんだよ急に」
「吉田君も言っていた。なので、映画を見てきた」
「なんだい?」
「スマーフ。3Dの吹き替え版」
「なぜスマーフ?」
「理由は何も無い。スマーフってよく知らないし」
「ぎゃふん」
感想 §
「それで中身はどうなんだい?」
「つまり、VFXがあれば東京上空をこう描けるってことだろう」
「意味が分からない」
「つまり、ファンタジーの世界が現実に世界に漏れてきて、現実世界で戦うわけだ」
「ふーん。目新しくないじゃん」
「VFXで実写映像との親和性が高いのが新しい。昔はしょせんアニメだった」
「それで、これは子供向きのアニメなのか?」
「そういう売り方をされているふしもある。吹き替え版がメインだったりね。でも、実際の中身はそうとも言い切れない」
「というと?」
「人間側の主人公は妊娠した妻を持つサラリーマンの若い男なんだ。けして子供では無い」
「そうか」
「スマーフ側の主人公も、結婚して子供を持つ寸前ぐらいの若い男の感じ」
「子供から大人になる境界線上の物語?」
「そうとも言えるな」
「なるほど」
「結局、妻のお腹に子供がいると保身を考えてしまって、安全な策を選んでしまう妥協主義が悪いということになる。そういう映画だ」
「そこは大人向け?」
「大人を目の前にした子供に、こういう大人になれよというメッセージかも知れない」
「妥協主義に走るなよ、ってことか」
ネコ §
「他には何か?」
「ネコが凄かったな。かなりCGのネコとしか思えない動きや表情もあったが、実写と見分けが付かない」
「ネコか」
「悪の魔法使いの使い魔のネコ。ある意味でこいつがいちばんの見所だった」