「じゃじゃーん。待望の震電IIのDLCがついに解禁だ」
「かなり高価だよ」
「まあ、名のあるデザイナーに依頼したのだから、ある意味でやむを得まい」
「それで乗り心地はどうだい?」
「PAK-FAとどっちが強いかは微妙だな。ただ、PAK-FAより素直で乗りやすいとは思う」
「もっと詳しく頼むよ」
試乗記 §
「フリーミッションでInfernoのハードを飛んだ。RANK Bだった」
「それで?」
「素直で良い機体だ。しかもエンジンが上下2段の双発。ヨーロッパ機(BAC ライトニング)みたいだ」
「BAC ライトニングって。今時の若者は分かるのかね」
「子供の頃は、ジェット戦闘機プラモの定番だったのにな」
「それで。震電IIは?」
「推力変更ノズルに、上下に動く動翼。それから前進翼。X-02+X-29+αという感じだな」
「そうか。X-29好きの君には向いているようだね」
オマケ §
「問題は震電という名前だな」
「震電……。推進式のプロペラ戦闘機だね」
「推進式だからジェットへの換装も容易だ……という噂だが本当かはワカラン」
「どうして?」
「SAAB J21という実例があるからな。ジェットエンジンへの換装は容易ではなかったそうだ」
「そんな北欧の戦闘機もみんな知らないって」
「むう。残念だ」
「それだけ?」
「あとさ。ゲッサンに載ってたなんとかいうライノベのコミック化も震電みたいな推進式の戦闘機が出てきて白けた。どうも震電には、ものをよく知らない者達を興奮させる魔力があるようだ」
「何かありそうな気分にさせるわけだね」
「ああ、女神さまっ!にも出てきたことがあるしね」
「実際はどうなの?」
「実績が何も残らないまま戦争が終わった以上、何もコメントはできないさ」
「夢も希望も無い答えだね」
「1つ震電IIの良いところは、そういう震電伝説というか、震電中二病とは一線を画したデザインという点だな」
「どうしてそう言えるの?」
「震電というのは、機動性よりスピード重視の極地戦闘機だが、震電IIは前進翼でスピードより機動性のデザインだ」
「なるほど。狙い目が違うわけだね」
「だから、ここは河森正治を見直すべき時か、あるいは発注者のProject Acesのセンスを見直すべき時かもしれん」
「どっちなの?」
「さあな。おいらに分かるのは震電IIは悪くないということだけさ」