「今日ぐらい映画を見たっていいじゃないか」
「1日は1000円で見られるって言ってたっけ?」
「当初、三銃士とステキな金縛りのどちらを見るか悩んだが、結局、『ミッション: 8ミニッツ』を見た」
「どうして?」
「同じ8分間を何回も繰り返すという内容に心引かれたからかな」
「それでどうだったの?」
「主人公は同じ8分間を繰り返すが、映画としては繰り返さない。毎回展開が違うのだ。特徴的ないくつかの出来事が同じというだけ」
「じゃあ、普通の映画として見ていいわけ?」
「うん。そう思う」
「映画の内容だけど、映画通ほど騙されるって本当?」
「騙されるかは疑問だが、序盤のおかしな部分に全て正当な解釈が付くのは面白いな。実際には騙されるというより、先が読めない映画だと思う。主人公の正体もそうだし、境遇もそう。結末もそうだな」
「結末って?」
「おおざっぱに言うと、ハッピーエンドとバッドエンドがあり得て、どっちに転ぶのか最後まで読めない。というか、ほとんど片方まで行ってしまうが、そこでひっくり返る」
「結局、どうまとめる?」
「量子論と多元宇宙」
「は? それは大きく出たね」
「おいらが大きく出たわけでは無い」
オマケ §
「主人公が任務のために入っている部屋が、実は戦闘ヘリのコクピットにムードが似ている」
「なんで似ているんだよ」
「その理由は映画の中で説明がつく。そのあたりは良く出来た映画だと思う」
「はちゃめちゃに弾けているのでは無く、律儀な映画だってことだね」