「正直、いま映画を見る時かどうか悩んだが、娯楽も無いと死んでしまうと思い直して見てきた」
「何を?」
「三銃士である。吹き替えの3Dであった」
「そんな手垢のついたネタの映画を見たのかよ」
「鷹の爪団が宣伝してたので」
「そんな理由かよ」
「あと、なんとダ・ヴィンチの飛行船である」
「時代設定が合うかよ」
「ダ・ヴィンチが残したメモが残っているだけで、ダ・ヴィンチは出てこないのである」
「でも、三銃士の世界で飛行船って変じゃないか」
「変である。でも、映画なんてそんなものである。結局映画は面白ければ正義」
「えー」
「神宮司艦長は先端にドリルが付いて空を飛ぶ潜水艦を作っちゃったけど、それでも面白いから映画として認められている」
感想 §
「それで中身はどうだったんだい?」
「基本的には三銃士であって三銃士では無い。そういう前提で見るしかない」
「それで?」
「いきなり水中から変な人が出現。誰かと思えばいきなりアトスの文字」
「アトスか!」
「そこで分かった。次に出てきた宗教臭い奴がアラミスだろうと思ったらアラミスだった。次の鈍くさいおっさんがポルトスだろうと思ったらポルトスだった」
「キャラクターの掴み方は上手いわけだね」
「で、問題はミレディー。最初はいい人風に出てきて、ずっと裏切っていたけど最後はいい人になって自分で海に飛び込んだ」
「そうか」
「しかし、ダルタニアンと三銃士の出会いの下りだけはかなり原作に忠実。三銃士と決闘の約束をしちゃう」
「なるほど」
「あとは、首飾りを取りにイギリスまで行ってくる設定は同じだけど詳細はまるで違う」
「違うのか」
「詳細は略するけどな」
更に感想 §
「結局まとめると何?」
「三銃士・マイナス・インモラル要素・プラス・飛行船」
「インモラル要素って何?」
「ほら。王妃がバッキンガム公と密かに愛し合ってるとか、ダルタニアンが惚れた相手が人妻とか」
「は?」
「それらが全部改編されている」
「へえ」
「NHKの新三銃士でタライの船でドーバー渡ったボナシューつまりヒロインの旦那なんてカケラほども出てこない」
「なるほど。つまり、特定の要素が欠落しているからそこに飛行船という要素が入ってくるわけだね」
「でも、飛行船は要らなかったなあ。むしろ邪魔。飛行船に関係ないシーンの方がずっと面白かった。途中の道中をきちんと描写して欲しかった」
オマケ §
「WikiPediaで配役を見たらこんなのがあった」
- カリオストロ伯爵 ティル・シュヴァイガー 栗野史浩
「えー」
「思い返しても、どの人がそうだったのかな。良くわからないや」
「ぎゃふん」