「うわあ、きょうは14日じゃないか」
「吉田君みたいなことを叫んでどうした」
「うむ。せめてこれぐらいの娯楽を自分に許そうと思ってステキな金縛りを見てきた」
「そうか」
「もともと、三銃士を見ようかステキな金縛りを見ようかと迷ってミッション:8ミニッツを見て、そのあと三銃士を見た。最後にステキな金縛りを見て、一応見ておきたかった映画は全部見たことになる」
「なぜステキな金縛りが最後なの?」
「洋画派だからな」
「その順番で良かった?」
「いいや。この3本ではステキな金縛りが一番面白かった」
「ぎゃふん」
感想 §
「法廷ものとしては、破格の面白さだろう」
「そうか」
「しかも、古い洋画を題材に使っている『スミス都へ行く』というのかな。ちょっと気になるよね」
「そうか。洋画っぽい面があるわけだね」
「うん。それに法廷闘争ものそのものが洋画的な題材だと思う」
「なるほど」
「あと、アルプス一万尺の使い方がとても上手い。伏線として提示されて回収されたと思ったら、ぜんぜん違う形で真の回収が行われる。映画に慣れていれば慣れているほど見切れない線を狙った演出かも知れない」
「ヤンキードゥードゥルなんだけど」
更に感想 §
「郷土史研究家が出てくるところがいいね。あれは感情移入できる」
「そうか」
「あとさ。楽しくておかしいんだよ。感動的なシーンでも他人からは幽霊が見えないから人間がバカをやっているようにしか見えない」
「わはははは」
「しかも、ストーリーがいい。主人公は幽霊が見えるのだが、最終的に幽霊が見えなくなる。上司が死んで、法廷闘争に真の勝利を掴んで、1人で立派になっていけるようになったらもう幽霊は見えない」
「都合のいい話ではないわけだね?」
「途中で被告人が自分が忘れられていると抗議するのもいいね」
「わははは」
「ビリー・ワイルダー監督の『情婦』も法廷ものとしては破格の面白さであったが、この映画は負けてないと思う」
「では、見て良かったの?」
「うん。面白い映画は得がたい宝だ」
「洋画派なのに邦画でいいの?」
「だって、そっちの方が面白かったのだからしょうがないだろう」
オマケ §
「だから、TOHOシネマズサイトのランキングで、他の洋画よりこの映画が上位ランクになる理由がよくわかった。素直に面白いもの」