(5)田用水の現況はどうなっているだろうかより
(4) 四面道口からの水路
唯ひとつの南進コ-スである。四面道交叉点南の環8道路に南西方向から来る観音御出(かんのんおんだし)と呼ばれた昔からの道がある。この道の北側2軒目の薪炭商、湯沢宅方の敷地西側隣家との境のコンクリ-トで固められた幅数十センチの余積地が用水堀からの分水路の名残りで、後半部が白山神社の南側に出現するまでの途中はすべて環8道路に呑み込まれてしまった。流れはJR中央線の下を南に出て、桃二小学校あたりを通って末端は善福寺川に連なっていた。
「四面道交差点は何度も通ったことがある」
「うん」
「ところが、この説明では薪炭商の西方に痕跡があると書かれている。しかし、薪炭商などという古い職業が未だにあるとは信じられない」
「確かに。環八と青梅街道という2大街道が交差する交差点の間近だ」
「しかし、痕跡があるのなら見たいと思ってその辺をぐるぐるまわってみた」
「それで?」
「何やら意味ありげなものを見つけた」
「確かに意味ありげだね。意味があるかは分からないけど」
「そして顔を上げてびっくりした」
「えっ?」
「なんと、『木炭あります』という張り紙のある店が」
「えー」
「薪炭商は2012年2月15日現在でそこに存在したのだ。よってこの説明は全く古くない。今現在の状況を示しているわけだ」
「じゃあ、上の写真は本当に水路跡なんだね」
「どれがそうかは別としてな」
四面道排水場 §
「四面道交差点を、北から来たときに四面道排水場という施設を見つけて気になった」
「うん」
「それはさておき、今日は四面道交差点付近から北に向かう清水口からの水路を少し辿ってみた」
「うん」
「下流から上流に向かったわけだ」
「それで」
「いきなり突き当たった」
「えっ?」
「道が続いていない」
「行き止まりか!」
「何が邪魔しているのかと思ってよく見たら四面道排水場だった」
「えー」
「四面道排水場の脇を通って青梅街道に抜けられた」
「そうか。水路跡なので、水に関係する施設がそこにあるわけだね」
感想 §
「ちなみに、浜田山駅方面から八丁交差点に抜ける経路が昔と変わってしまった」
「どう変わったの?」
「昔は、環八の利用が前提だった」
「便利だものね」
「でも、今は環八を横断するだけで、環八沿いには走らない。裏道を直線的に進む」
「えー」
「行くごとにどんどん経路が洗練されていくよ。まあ試行錯誤しながらイレギュラーに行ったり来たりしていると、洗練されていない経路で帰ることもあるけれど」