「2199の認識を少し改めた」
「なんだい?」
「2199はヤマトの春なんかじゃない。実は、これも冬のヤマトなのだよ」
「えー。なぜ冬なんだい?」
「出演声優陣の顔ぶれが凄いから声優ファンも殺到してチケット大変だよ、というイベントだと思っていた。しかし、昔のヤマトを知っている世代がかなり多かった感じだ」
「それってどういう意味?」
「だからさ。2199が2520の二の舞になるリスクも十分に高いってことだ」
「うそー。それでもテレビで放送するんだろ?」
「いや。劇場とBD&DVD販売がメインらしい。ネット配信もあるようだけどな」
「ひぇ~。そりゃ寒いぞ」
「サラミス一隻すら付かないのだ。極寒の時代だぞ」
「じゃあ結論は何?」
「我々がドカドカと金を落とさないと本当に終わっちゃいかねない」
「ひ~」
「だから、俺たちのヤマトSPとは、俺たちがスペシャルに支えないと沈むヤマトという意味だと感じた」
到着 §
「会場は17時30分開場、18時30分開演であった」
「それで?」
「その前に、一般向けグッズ販売タイムもあって、売れ行きを見たいと思ったが、さすがに時間が無かった。到着したのは17時40分頃。しかし、驚いたことに開場は7階なのに1階近くまで階段に行列があった」
「凄い長さだね」
「熱気はあったよ」
森雪 §
「森雪のコスプレの係員が2人ぐらいいたよ。やっぱり森雪のコスチュームは色っぽくていいね」
「堪能したの?」
「バカを言え。人が多くてとても見ている余裕なんてありはしないさ」
第1話 §
「第1話の感想だ」
「どうだったんだい?」
「あっけに取られた」
「えっ?」
「旧テレビシリーズと比較して、ストーリーは全くの別物。そもそも、沖田艦隊が冥王星まで行く理由すら同じではない」
「違うものを見ると覚悟しろってことだね」
「いやいや」
「違うの?」
「ストーリーは全く違うのに、冥王星海戦で始まって錆びたヤマトの残骸で終わる」
「えー」
「ヤマトの第1話としか言えないまさにその構成」
「なんてこった」
「しかも、要所要所では昔見たのとそっくりのレイアウトや台詞や音楽がバシバシ挟まる。構成も同じ。冥王星海戦があって、途中でイスカンダルから宇宙船が飛んできて、脱出カプセルが飛び出して、火星で古代と島が通信カプセル拾うの。そして、地球に戻って、古代と島が無断出撃して偵察機を落とせないのも同じ」
「違う話になっているのに、驚くほど似ている訳だね」
「似ていないシーンも多いよ」
「でも、すぐに似ているシーンに回帰するわけだね?」
「そうそう。その執念が凄い」
「具体的にはどんな感じ?」
「やつらにはこの船では勝てないとは言わない。ある意味で旧ヤマトの矛盾の1つだ。勝てないと分かっているはずなのに、まるでやっと気付いたような言い方はおかしい。だから、その台詞が削られるのは妥当だ。しかし、ちゃんと馬鹿めとは言う。あれは単なる心意気の問題だから、何を言ったところで矛盾するような性質のものではない」
「そのあたりの見極めが鋭いってことだね」
「他に古代守艦だけ最後まで残っている理由もちゃんと作り込まれているし、佐渡先生は五つ目の仏様もやらないし、あかんかったよとも言わない。ちゃんとヤマトに乗るのに相応しい医者として描かれている」
いないはずのあの人がいた! その1 §
「嬉しかったこと、その1。沖田艦のブリッジにいないはずのあの人がいた!」
「誰だよ」
「山南!」
「えっ?」
「少なくとも、山南って呼ばれた人がいたみたいだ」
いないはずのあの人がいた! その2 §
「嬉しかったこと、その2。佐渡先生の医務室にいないはずのあの人がいた!」
「誰だよ」
「土方!」
「えー」
「なんと生きた沖田と生きた土方が平然と会話してる」
いないはずのあの人がいた! その3 §
「嬉しかったこと、その3。佐渡先生の医務室にいないはずのあの人がいた!」
「誰だよ」
「森雪じゃない看護師!」
萌え要素 §
「シリアスシーンのバックにアホ毛がいて、アホ毛に違和感があるという話があったが、出渕監督は入れたくなかったそうだ。アホ毛は押し切られただけだそうだ」
「なぜそんな萌え要素なんて要らないものが押し込まれてしまうの?」
「きっと、ビジネス的にピンチだから、少しでも売ろうと思う人が押し込むのだろう」
「押し込めば、それで売れると思う?」
「おいらは無理だと思う」
庵野OP §
「庵野OPだけどさ」
「うん」
「ネタバレになるから詳しくは語らない」
「そうか」
「しかし、最初のうちはなんでこれが話題の庵野作なのかと首を捻るような内容だった」
「えー、期待外れ?」
「いや、見終わってみると、やはり庵野は天才演出家だと思った。凄い発想だ。最初のアレ?も含めて計算されたOPだ」
ささきいさお §
「ささきいさお熱唱。いいねえ」
「素晴らしいゲスト?」
「いや、実は主題歌も歌う」
「それは壮絶すぎ」
彬良さん §
「彬良さんのコンサートのチラシも入っていたが、またやる4月22日のコンサートでヤマト『も』やるようだ」
「それで音楽はどうなの?」
「彬良さんはガミラス国歌を作ったよ!」
「すげ」
「あと、ヤマトの音楽は実はロックが多いという説明もしていたな。しかも、プログレ。確かELOっぽいって言っていたかな」
「ELO?」
「エレクトリック・ライト・オーケストラ。昔、CDを1枚買ったことがあるので、まさかこんなところでプログレと話が結びつくとは思わなかった」
「なんてプログレなんかに興味があったの?」
「ドラゴンボールZヒット曲集8 1/2スペシャルというCDに『ハウス&プログレ』って書いてあったんだ」
「ぎゃふん」
「ドラゴンボールZヒット曲集8 1/2スペシャル。あれば超名盤だぞ。たまにゃお皿の1枚や2回磨いてみてよ、でスクラッチ音を入れてみせるアレンジを聞かせてくれるし」
「なんでお皿とスクラッチ音が関係するんだよ」
「それはDJに聞いてくれ」
「ひ~」
新PV §
「憎い演出。司会が終わりを宣言してみんな帰ろうとしたとき、ネットでは未公開の新PVが前置き無しに上映。これは凄い演出だ」
「そんなに良かったの?」
「今公開されている版とは比較にならん」
まとめ §
「復活編派を標榜した自分であっても、2199が2520の二の舞になるのは本意では無い」
「じゃあどうするの?」
「腹を括って2199にも投資しないとだめかもしれない。って、既に発進式の安くは無い参加料も払っているわけだが」
「イベント会場でグッズも買い込んだの?」
「ああ、それは無理」
「金が無かったの?」
「凄い行列でとても買いに並べなかったよ!」
「ぎゃふん」
オマケ・モノクロ §
「ちなみに、第1話の嬉しい演出」
「何?」
「なんと沖田艦と古代守艦の通信画面はモノクロモニタ」
「それがなぜ嬉しいの?」
「庵野監督とおいらには嬉しい」
「どうして?」
「1974年当時、モノクロテレビで見てたから」
オマケ・三つどもえ §
「1974年当時、ハイジと猿の軍団とヤマトの三つどもえになった」
「うん」
「今日は彬良さんのコンサートのチラシにハイジではなくもののけ姫の名前が」
「えー」
「あと、猿の惑星の宣伝を含むパンフもあった」
「もののけ姫と猿の惑星とヤマトの三つどもえかよ」
オマケ・肌色 §
「喜べガンツ。私とガンツは肌色で出演だぞ」
「シュルツ指令。それは我々がガミラス人では無くガミラスの2級市民という演出だそうです」
オマケ・デストリア級 §
「ガミラスのデストロイヤーにデストリア級という名前が付いたぞ。もっと大きいのがハイゼラード級。そして、ガイペロン級多層式航宙母艦」
「えー」
「嬉しいのは、高速空母から攻撃してきた横長の攻撃機。あれにDWG229メランカという名前がついたこと」
オマケ・きれいなデスラー §
「デスラーが若くて綺麗だ」
「なんでだよ」
「古代のライバルなら、その方が釣り合うってことだろう」
「ぎゃふん」
「これなら、互いに酒を飲んでた雰囲気だ」
オマケ・美伊 §
「佐渡先生の酒は美伊」
「なんで?」
「ネコのみーくんだからみい」
「ぎゃふん」
オマケ・これは究極の同人誌か? §
「1つ思ったこと。2199そのものが究極の同人誌だ」
「個人的な思いがぶつけられた私的な作品ってこと?」
「そうだ。しかし、それが悪いとは言わない。その方がむしろいい。ヤマトの解釈は多様であり、1つ1つのヤマトが違っていて良い。むしろ、個を強く押し出して描く方が好ましいとすら言える。古い演劇などでは、上演するたびに新しい解釈が入ることも当たり前なので、その水準にヤマトも達したのかもしれない」
「でも、同人誌だとどうしても対象が狭くなりがちじゃないか?」
「うん。その傾向はある。商品になりきれないので、テレビ放送できないのかもしれない。しかし、それは自分に取って面白いか否かとは直接関係ない問題だ」
「テレビ放送できるぬるいアニメよりも、テレビ放送できない濃いアニメの方がいいってことだね」
「たとえ金が掛かってもだな」
オマケ・沖田艦のブリッジ §
「沖田艦のブリッジは、砲塔の上に付いている。あの砲を撃つためにまわすとブリッジももまわってしまうはずだ」
「まあ確かに」
「2199では実際にまわしたよ。ブリッジごと!」
「ひ~」