2012年02月19日
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魔法先生ネギま!(37) (講談社コミックス), 赤松 健, 講談社

Written By: 川俣 晶連絡先

「予想外だが面白かったぞ」

「まだまだ続きそう?」

「いや、次巻で終わりみたいだ」

「結局何が面白いの?」

「結局のところ、何も問題が解決されていない。あれだけの大騒動を起こして敵に勝って麻帆良に帰還したにも関わらず、本質的な問題はまだ何も解決していないし、むしろ問題は爆発的に増えている」

「問題が増えているのに終わっていいの?」

「その通りだ。物語は最初に提示した主題を回収して終了する。これが当たり前。売れるからといって、セルとかブーを出す必要は無い」

「続篇はあり得ないってこと?」

「同じ世界観やキャラを使った全く別の話が始まるのはありだが、それでも1つの物語は終わるべき時に終わる。そういうものだ」

「じゃあ、ネギま!で最初に提示された主題って何?」

「ネギがクラスメート達と会うことだ。そして、37巻の引きを見る限り、最終刊の主題もクラスメートとの関係になる」

「全員パクティオー?」

「そうとも言えない。幾人かは別の誰かと契約しているのも事実。そういう割り切れない部分も含めて37巻は面白かったぞ」

些細な考察 §

「なぜ37巻は面白くなったの?」

「さあな。事情は知らん」

「仮説も無いの?」

「仮説ならある」

「それは何?」

「絶版コミックの復活事業に手を出した結果、非常に多種多様なコミックに目を通す機会があったと思われる。それを通じて、いろいろと得るものがあったと思う」

「それってどういうこと?」

「声が大きな萌えが大好きな読者とは別の刺激を受けられたってことだろう」

「もっと具体的に」

「濃厚に短いページ数で物語を展開していくノウハウのようなものが、より適格に掴めたのでは無いか、と思う。1つ1つのエピソードが的確で面白いよ」

「へえ」

中でも §

「中でも特に君が面白かった話はどれ?」

「うーん。フェイトの合コン」

「がびーん」

「あとは、とても口には出せない恥ずかしいいやいや~んな展開も多数」

「じゃあ、個別のネタでは?」

「くしゃみすると脱げる」

「えー、それって初期のよくあるネタじゃない」

「だからさ。初期に展開されたそのネタもここで回収しているわけだ」

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