2012年02月20日
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37巻・ウルスラの脱げ女はどこまで本気か

Written By: 川俣 晶連絡先

「実は最初に読んだとき、ウルスラの脱げ女が持っていた『将来』という文字の意味が分からなかった」

「『将来』を掛けて戦うって意味だろ?」

「そうじゃない。実はそのシーンでは明らかになっていないのだが、その先まで読むと借り物競走であることが分かる」

「えー」

「更にそこから逆に読んでいくと、ウルスラの脱げ女の後で告白した女が持っていた『愛』とか『LOVE』の紙もやはり借り物競走の用紙であることが分かる」

「ラブレターじゃ無いってことだね」

「その後も、ネギ先生の身柄であるとか、パンツであるとか、いろいろな紙が出てくる」

「そうか」

「そこから逆算すると以下の解釈が成り立つ」

  • 『将来』のカードを持っている者の将来の約束は、実際の約束ではないかもしれない (あくまで借り物競走のための発言かもしれない)
  • 『愛』のカードを持っている者の愛は、実際の愛では無いかも知れない。
  • 『LOVE』のカードを持っている者のLOVEは、実際のLOVEでは無いかも知れない。

「そうか。ネギがもてまくっているわけではないのだね」

「が、しかし、そこで解釈を止めていいものか」

「は?」

「意外と借り物競走に便乗して愛を告白している女もいるのではないか」

「えー」

「そうすると、ウルスラの脱げ女にとって、借り物競走は告白を行う口実をくれるチャンスだったという可能性もある」

とすれば §

「体育祭は文化祭の主題の回収といえる」

「どう回収されるわけ?」

「文化祭には以下の特徴がある」

  • 戦闘が行われる
  • 愛の告白が行われる
  • 敵がクラスメートである
  • 委員長がイベントを行う

「時間移動は本質じゃ無いので入れなかった」

「そうか」

「そうすると、実は全ての項目が体育祭で反復されている」

「ウルスラの脱げ女の告白が、『愛の告白』にあたるわけだね」

「まあ、文化祭で告白していた人たちはもう告白する段階ではないから妥当なところだろう」

「そうだね。でも体育祭は短いよ」

「長々と引っ張らないのは良い構成だと思う。主題の回収は、主題のリピートとは違うからね」

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