「2199を契機に噴出するヤマト語りによって、『無知との遭遇』が発生する、というのが単純にこれまでの予想だった」
「既に一部は当てはまってるよね」
「しかし、まだ甘かった」
「というと?」
「少なくとも完結編までのヤマト関係の資料はおおむね出尽くしていると考えていたが、そうでもなかったのだ」
「えー。完結編までってかなり古いよ」
「そうだ」
「なのに、まだ新資料が出てくる可能性があるの?」
「その通り」
「説明してくれよ」
「だからさ。ただのファンないしただの部外者ではない立場からの語りが出始めているのだ」
「たとえば?」
「YP2012の収穫物でいうと、以下がそれに当たる」
- 宇宙戦艦ヤマト BGM ENCYCLOPEDIA→著者は復活篇COMPLETE BOXに関わったらしい (そこで西崎さんと仕事ができたと後書きで明言)
- 英雄の軌跡 「ヤマトよ永遠に」保管資料編→著者は西崎義展氏たちから資料を分けて頂いた、と後書きで明言
- Proud of YAMATO Visual Book→著者は西崎義展氏のヤマト等の遺産を相続した人らしい
「それって、どんな変化なの?」
「『西崎を許せるか』とか『西崎派か松本派か』という問題は既に意味を持たない。既に出てきた情報ですら現存する資料の一部でしかないわけで、それをいかにして受容して解釈するかの問題が残るだけだ」
「もうちょっと具体的に頼む」
「そうだな。Proud of YAMATOには松本零士によるスターシャの絵が含まれるのだが、これは正当に所有した西崎さんの遺産のうちなのだろう。それを解釈するとき、西崎派とか松本派とか、そんなことを言っている場合じゃない」
「じゃあどうすればいいのさ」
「ヤマトの重要な一部は松本零士によって作られたことは認めねばならない。かといって、松本零士が全てを1人で作ったかのような言い分も認められない」
「凄く微妙だね」
「しかし、ヤマトの解釈とはその微妙な道を進むことにもつながる」
「それが、新しい『無知との遭遇』がもたらし結果なんだね?」
「そうだな。おそらく2199は予想もしなかったもう1つのライバルに晒されることになるのだろう」
「それって新たに噴出してきた情報の奔流?」
「そうだ。つまり過去だ」
「過去には、膨大な情報量があり、うかうかしていると2199も押し流されてしまうわけだね?」
「そうだ。テレビ解像度で制限されてしょぼくみえた昔のヤマトも、解像度の制限を取り払って再度見たら情報量が飛躍的に上がる。その時、過去は本当にライバルたり得るかも知れない」
オマケ §
「昔、OKI Projectの銀の翼というヤマト同人誌を買ったことがある」
「それで?」
「何となく似たテイストの同人誌が置いてあった。買えなかったけどね」
「買ってないのになんだよ」
「あとで調べて分かった。YP2012にOKI Projectも出てきて、銀の翼の続きをずっとやっているらしい」
「それってどういうこと?」
「ストレートに2次創作をするのはスタイルとしてはおそらく古い。しかし、そういう人たちがいてもいいと思う。万人が新しくある必要もない」
「そうか。それはそれでいいわけだね?」
「そうだ」
「じゃあ、何がいけないの?」
「他人のお楽しみにケチを付けることかな」
「楽しみ方は人それぞれってことだね」
「全員が同じである必要もない」
「加藤と斎藤は違う生き方ゆえに衝突するけれど、本来は違っていて良いわけだね」
オマケパチ §
「YP2012での意外な収穫!」
「なんだよ」
「パチンコのヤマトを試すことができた」
「まさかお金をつぎ込んだのか?」
「いや、球が循環するようになった試遊台が並んでいた」
「それで?」
「クロス・ファイヤー作戦だ!」
「は?」
「パチンコの中でブラックタイガーがやってたんだよ」
「クロス・ファイヤー作戦?」
「ヤマトでそういう台詞が1回だけあるの。あまりにマイナーなのですっかり忘れていた。まさか、パチンコで思い出すとは。びっくり」
「どこに出てくるの?」
「第13話。ガミラスの捕虜パイロットを捕まえるときだな」
オマケ・ファイヤー作戦 §
NTTデータが金融機関向けコンサルティング事業に本腰、大手顧客への食い込み狙うより
コンサルティング事業強化は、NTTデータが今年度に始動した「クロスファイアー作戦」の一環だ。
「NTTデータ凄いぞ」
「ヤマト関係ねえ!」
「いや、作戦の立案者は隠れヤマトファンかもしれないぞ」