ある日々のTO|||O 5月16日より
苦しい戦いの中、石黒さんに癒された。
10歳前後、年上なのだが、よく遊んでくれた。
堅い話は別にして、メインスタッフルームに、当時のパースヤマトの大きい模型があった。
その上から、買って来たミドリスライムをたらして2人で遊んでいた。
ある時、制作プロデューサーに見つかり、怒られた事も。
まっ、常識人を飾った人には意味不明的行動だよな。
つまり、子供の発想を共感できた偉大な一人である。
「いや、これは大きな意味がある」
「どこに意味があるの?」
「ヤマトのような硬いものに粘性の大きな流体を垂らすとどう流れるか、という現象に興味を持つのは、映像制作者として重要な資質なのだろう」
「遊びじゃなくて?」
「遊びも感性を養う重要な要素になっていたのだ」
「それで?」
「だから、ヤマト1974OPの不明の流体から飛び出すヤマトのカットとかも、その系譜の上にあるわけだ」
「流体は重要なの?」
「そうだ。CGなんかでも、固定的な物体より流体を扱う方がやっかいだ。高度な技術が要る」
「だから、CGで水が見せ場になるんだね」
「そう。だからそういう特殊効果アニメーションに興味を持つ石黒さんと、リアルな発想を絵にでいる湖川さんがそれで遊んだことは重要。アニメーションを記号で考えていたら、そんな遊びも発想しない」