ホールは美少女だったので、男達はホールを巡って争った。最終的に棒倒しで決着を付けることになり、棒を倒した者がホールと付き合う権利を得ることになった。
一連の騒動をホール自身は呆れていた。男達が棒を巡って争っているのを横目で見ながらファッション雑誌を開いて読み始めた。
「御飯ですよ」と声が掛かったので、ホールは雑誌を読みながら家に帰ろうとした。
しかし、うっかり棒にぶつかってしまった。
「痛っ!」
そして棒は倒れた。
「勝者ホール!」と審判が宣言した。
「違うわ。勝ったのはこのファッション雑誌よ」
そしてホールはファッション雑誌と共にその場を立ち去った。
(遠野秋彦・作 ©2012 TOHNO, Akihiko)