「また予定外の割り込みの話題だ」
「それはなんだい?」
「今日は郵便局に行ったついでに本屋に立ち寄った」
「それで?」
「今回は、『2199関連の話題が1ページでも載っていれば買う』という態度は改めて。これはと思ったもののみ買うという態度に変えた」
「出費が大きすぎるってことだね」
「しかし、それでも二千円を超えた」
「3冊も買ったの?」
「いや2冊で」
「どんな雑誌だよ」
「要らないオマケが付いて千円を超えた雑誌」
「ぎゃふん」
モデグラ §
「モデグラはちらっとだけ見た」
「それで?」
「2199ヤマトの格納庫を惑星大戦争に喩えていた」
「轟天のリボルバー式の発進口だね」
電撃ホビー8月号・特集2宇宙戦艦ヤマト2199 §
「ヤマトの女性キャラ集合ピンナップが違和感バリバリでうざい」
「えー」
「と思って見始めたのだが、実は女性キャラピンナップ裏の地球艦隊が見事。ピンナップはこれをカモフラージュするための煙幕だったのだ」
「えー」
「この写真はね。作例の沖田艦とCGの他の艦を合成したものと思われる」
「それで?」
「戦艦を中心に、やや奧に巡洋艦、更に奧に駆逐艦という輪形陣っぽい配列になっている。これは分かっていてやってる配列だろう」
「キリシマの隣にユキカゼはいないってことだね」
「全艦が揃って進撃中はそういうことだ。乱戦になったら事情は変わるけどね」
「他には?」
「他のページも凄い。作例もいいし、特に沖田艦の後部の鱗の作り込みが凄い」
「それだけ?」
「編集部の考察でオフィシャルでは無いと断った上で、地球艦隊の編成表が載っている。これも分かってる名前がぞろぞろと並ぶ」
「何が分かってるの?」
「たとえば、ムラサメ型のナチ」
「ナチって、ガミラスがナチス・ドイツ風だから、ガミラスっぽい名前じゃないの?」
「そうじゃない」
「名犬ナッチー?」
「ケロロネタじゃないから。そうではなく、これは那智(なち)なんだよ」
「なにそれ?」
「和歌山県の那智山から取った名前。山の名前は重巡洋艦に付くから」
「じゃあムラサメも山の名前?」
「違うかもしれない。良く分からない」
「ぎゃふん」
「他にはパイロットスーツの山本ちゃんが格好いいね。特にフライトジャケット羽織っているところ」
「ファルコンに乗るの?」
「2機目のコスモゼロだそうだぞ」
「えー」
「古代と一緒に飛び出すわけだ」
「ラブラブじゃないか」
「ヤマモト~、宇宙デートとしゃれ込むか」
「バカ言ってるんじゃ無いよ」
電撃ホビーまとめ §
「それでまとめるとどうなるの?」
「萌えキャラピンナップに油断して見始めた何も知らない憐れな子羊は、萌え要素がほぼ存在しない記事構成にノックアウトされるだろう」
「ひ~」
「いちおう、ヤマモトちゃんは載っているが、口を開けて笑って男に媚びているような絵は1枚も無い」
「アホ毛は?」
「相変わらずあるが、そこはむしろエリス中尉の宇宙ファッションのような感じで、既に違うものに昇華された感じだ」
グレートメカニクスDX21 §
「ついでに他に目立った本はないかなーと思って見ているとグレートメカニクスがあった。ヤマト2199が載っていた。でも既に買ったものだった」
「ぎゃふん」
「更に見ているともっと新しいグレートメカニクスも置いてあった。そっちは買ってないものだった」
「それで?」
「表紙にヤマト2199と書いてあったけど、紐で中がチェックできなかった。なので一緒に買った」
「それで?」
「中身は感涙ものだ。とてつもなく濃い。萌えキャラなどカケラほどもない。辛うじて登場人物のサイズ比較設定にみんなと一緒に出てくるだけ」
「えー」
「コスモゼロの詳細設定があっても、山本ちゃんは出てこない」
「どこが良かった?」
「特に凄いのが『メカシーン、誌上コメンタリー』」
「第二章の紹介?」
「いや。第一章のコメンタリーなのだけ」
「既に君はBD持ってるじゃないか。何回も見ただろ?」
「ところが、静止画で説明付きでじっくり見ると『すげえ』『すげえ』を連発してノックアウトされた」
「第一章に?」
「そうだ。第一章にだ」
「他には?」
「森雪の服が透けるとはっきり書いてあるし、『カッコイイけど今見ると突っ込みどころ満載の冥王星の戦い』と書いてあるのもいい。100式偵察機やコスモシーガルの詳細な設定が乗っているのもいい。ワンパターンの宣伝用セル画とは違うものだ」
「えー」
「強襲揚陸艦にどう戦車が乗っているとか、ニューコスモナンブの設定とかも載っているし」
「ニューナンブかよ」
「しかも、古代の部下も南部だからな」
「あいつの親の会社で作ってる拳銃かよ」
「かもね」
「他には?」
「土方が出ても最後にアンドロメダは出ないと釘を刺している」
「そうか」
「もう1つ思いだした。2199ヤマトの主翼は上面グレー。下面赤」
グレートオマケス §
「余談が1つある」
「それはなんだい?」
「マクロス関係の記事にもヤマトという用語が頻出(笑)」
「ヤマトのファン世代が造ったのがマクロスってことだね」
「どこから業界に来たのかと言えばやはりヤマトが何らかの契機という事例が多いようだ」
「じゃあマクロスウォッチングは欠かせない?」
「マクロス前史に限れば少しは見ておいた方がいいかもしれない」
「それだけ?」
「いや。1つショックがあった」
「なに?」
「この本の表紙が載ってた」
「雑誌をスキャンしたの?」
「いや雑誌にはモノクロで掲載。これは自分の持っていた現物をスキャンしたもの」
「ひ~」
「これでドクターチバの同人誌がこの本で間違いないことが確認できた」
「それに意味があるの?」
「ん~、ただの自己満足かな」
オマケコン §
「この本は大阪のSF大会で買ったような記憶がある。もう曖昧だけど。でもDAICON4か5か分からない」
「それがどうしたの?」
「4なら岡田斗司夫さんがやったSF大会だ」
「話がそこにくるのかよ」
「4のオープニングアニメには、頭からビームサーベルを抜くバリキリーが出てくるから、マクロスに間に合ってるのは確実と思うけど」
「有名なアニメだね」
「もっとも、DAICONをアニメの名前だと思ってるorそう表記している連中が多すぎて辟易するけどね」
「実際は何なの?」
「大阪でやったSF大会はDAICON。ゼネプロがやっても他人がやってもDAICONはDAICON」
オマケ萌え §
「実は引っかかっていることが1つある」
「それは何?」
「やはり2199は萌え要素が必要であると頑なに信じている人たちがいるようだ。たとえばSP2の特番でも若い担当者達はそれが2199に若い客を誘導する手段であると信じているような節がある」
「それで?」
「ここで雑誌に硬派な特集なのに萌えピンナップが付いてくるのは、そういう人たちの強力な巻き返しがあるからではないかとも思える」
「それについての君の見解は?」
「ワンパターンの萌えなんか描いても百害あって一利無し、という認識はこちらもコアなスタッフも共有されていると思うが、そこから外れる世界では違うかもしれない。そこで、妙な軋轢が生まれて作品が迷走するとどうなるか分からない。まあ、おいらの作品じゃないので、ある程度以上は踏み込めないけどな」
「君の考える複数女性のいるヤマトの理想型は?」
「復活篇の第3艦橋」
「ひと言で説明が終わっちゃったよ!」
幻のオマケ §
「グレートメカニクスのドクターチバの経歴が実は面白かった」
「どうして?」
「なぜならこういう経路だからだ」
- SF(1日に3冊読む)→ヤマト→SF大会(TOKON6)→クリコン
「クリンゴン?」
「いや、クリコン。グレートメカニクスではひらがな表記だけどな」
「なぜ面白いの?」
「実は途中まで自分と経路がそっくりだからだ」
- SF(1日に最大5冊読んだのが記録)→ヤマト→SF大会(TOKON7)→?
「そっくりだけど、TOKON6とかTOKON7ってなに?」
「東京で行われるSF大会がTOKON。TOKON6が1976年。TOKON7が1980年」
「それで?」
「実はその当時、クリコンに興味があったのだけど、あれは独特だから止めた方が良いと言われて参加しなかった」
「ちょっと待て。じゃあ、そのひと言がなければ、クリコンに参加した可能性があるのか?」
「クリコンに参加して何か面白い奴と認識されたら、そのままプロの世界に片足を突っ込んだ可能性もある。ドクターチバのようにね。何しろ絵を描くのが好きな子供だったし、メカデザイナーに興味もあった」
「クリコンってそんなに凄いの?」
WikiPediaより
SFセントラルアート時代から会誌「クリスタル」を発行し、ファンとの月例交流会クリスタルコンベンション(通称クリコン)を開催していた。参加者には天野喜孝、出渕裕らもおり、その中から河森正治、細野不二彦、佐藤道明、森田繁らぬえの第二期メンバーが輩出されている。
「凄い名前が並んでいるじゃないか」
「参加していたら2199の出渕監督とため口で激論していた可能性すらあるぞ。あっちもこっちもまだ無名だしな」
「ひ~。これだけの人たちがみんな無名の時代かよ。ってか君は未だに無名だろ」
「まあ、こっちは少し若いので、上手く行ってもドクターチバの助手としてマクロス7に『トーノ君』が出る程度だろうけどな」
「でもただの人が行ってそれで、プロの世界から声が掛かるのか?」
「ははは。そこまでうぬぼれちゃいない。ただ、一次選抜は通ると思うよ」
「どうして?」
「近くの図書館の児童室にあるSFの棚をほとんど全部読んでるとか、一時期にテレビでやったSF特撮っぽいタイトルの映画を片っ端から見たとか、いろいろ経歴はあるからさ。ヤマト1974はリアルタイムで全部見てるだけでなく、時々終わった直後にチャンネルをTBSにまわして一瞬だけ猿の軍団を見たことがあるとか」
「ひ~」
「まあ、ソレマンの空間艇だろうとセブンの太陽だろうと、そういう話題はドンと来いだったからな。時をかける少女だって夕映え作戦だって、原作小説で読んでるし。そういう長所が上手く出せればそこそこは行くだろう。それで最後まで行けるかどうかは知らないけどな。ははは」
「言葉の意味は分からないが、ともかく大した自信だ」
「ちなみにセブンの太陽はウルトラセブンじゃなくて、加納一朗のジュヴナイル宇宙小説だからな」
「知らないよ! 誰だよ」
「ヤマトが第1巻のソノラマ文庫の初期にユーモア小説を何冊も出してる作家だよ。ほらふき大追跡とか」
「えー」
「ソレマンの空間艇は石川英輔のジュヴナイル小説だけど、もちろんスタージンガーの監修の人だぞ」
「スタージンガー関係で読んだの?」
「まさか。たぶん読んだのはスタージンガーが生まれる前だ」
「そっちが先かよ」
「結局、いくつかのSFサークルに在席したことがあるけど、クリコンには行ってない。でも、行けば話はまた違ったかもしれない」
幻のオマケ2 §
「メカデザイナーに興味があったって本当に?」
「うむ」
「じゃあ、子供時代、自分のオリジナルメカを描いたことがあるの?」
「うむ」
「たとえば?」
「サンダーバード6号とか7号とか8号とか。映画の6号を知らない頃の話」
「えーっ」
「勝手にクレヨンで描いてたぞ。そんなメカを一杯」
「このリアル・クレヨンしんちゃんめが」
「はっはっは」
「今はどうしてメカを描かないの?」
「実在しないメカをいくら描いても何も起きないしな」
「なんという割り切り!」
「どこかで見たメカの焼き直しをいくら描いてもオリジナリティないし。かといって、全く違うと分かりにくいし」
「ひ~」
「それに世の中で必要とされているメカデザイナーなど数は限られているだろう。そして、必要なデザイナーの人数は充足しているだろう」
「それだけ?」
「それにプロならケータイだろうとバイクだろうと何でも描ける必要があるけど、おいらに八方美人は無理。ロボットとか描きたくないもん。無理に描いてもかっこわるくしか描けない」
幻オマケのルーツ §
「そういえば、子ども時代の自分は『ほらふき大追跡』と『ほら男爵現代の冒険』で造られたのかも知れない」
「だから君もほらふきなのか」
「あ、オオカミだ」
「ほらね」
「ラムジーラムジーかわいこちゃん、変身オオカミパッと出て、騙すつもりが騙される♪」