2012年06月28日
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三百字小説『プロク島の健太売り』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 絶海の孤島、プロク島のプロク人が日本に攻めてきた。しかし、日本にはスーパー超人、クラーク健太がいた。クラーク健太は大活躍し、空を飛び目からビームを発射してプロク人の侵略部隊を撃退した。

 プロク人は作戦を経済侵略に変えた。美女スパイを送り込んで、クラーク健太の遺伝子を採取すると健太を量産し、それを日本国内で売り始めたのだ。

 「ケンタ、えー、ケンタはいらんかね」

 「ケンタ売りのお兄さん!」

 「へい。なんでしょう?」

 「フライドチキン一箱ちょうだい」

 「うちにチキン野郎のケンタはいません!」

 「じゃいいや。買わない」

 プロク人の経済侵略も失敗した。

(遠野秋彦・作 ©2012 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦