「昔、きむらたかしさんから見せて頂いた地図(T12地形図 世田谷)のコピーを引っ張り出した」
「どうして?」
「大縮尺で西郷邸が描いてあったから」
「それで?」
「現在の地図と見比べて池と水路の位置を特定してみたのだが、けっこう意外だ」
- 池の多くは現在の西郷山公園というよりも、菅刈公園付近にあった
- 西郷山公園に残る池とは、おそらく東端の小さな突起部だけ。ここが西郷邸の池の主要な部分ではない
- 建物は、この池の南部に描かれている。つまり崖の上では無く、池と目黒川の間
- 三田用水から続いている水路が描かれているが、現在公園内にある水路とは位置が違うっぽい。もっと西よりに見える
「それで何が言いたいわけ?」
「WikiPediaの以下の記述は不適切かもしれない」
- なお、かつて西郷邸の和館や洋館があった場所は近接してある菅刈公園付近にあたる
「もしかしたら、菅刈公園のみならず菅刈保育園や南部住宅街にも多く建物があった可能性がある」
「えー」
「あと、これも問題。第七章・第五節/西郷山と代官山の『かつてこの位置にあった西郷邸。池は三田用水からの取水を流用したもので、付近の景観は見事なものだったという』という記述。このキャプションが付いた写真(昔)と1つ手前の写真(現代)は同じ場所ではない可能性がある。この位置は背後に崖が迫っていて屋敷が建てられる場所じゃない。逆側の岸という可能性がある」
別の謎 §
「さて、もう1つの謎」
「それは何?」
「これまで見た傾斜地の屋敷はほとんど高いところに建物がある。ところが西郷邸は池と川の中間領域にあって、とても低い場所に建物が固まっている」
「それは不思議だね」
「それはさておき、この地図に見える池はかなり大きくて中に島がある」
「それで?」
「桜島にでも見立てたのだろうか。ならばあれを桜島として見るには、屋敷も低い場所に置かねばならない」
「真相は?」
「まだ不明だ」
オマケ §
「田原さんに質問できれば一発クリアだろうけど、ここはぎりぎり渋谷区でじゃなく目黒区なのだ。惜しい!」
「それは残念」