2012年07月16日
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一度増やしてカットするという斬新な発想力に驚きました

Written By: 川俣 晶連絡先

「今日のショック」

時計で一桁の場合、前に0を付けたいです。より

一度増やしてカットするという斬新な発想力に驚きました。

「不定の長さの文字列を、決まった長さの文字列にするとき、確かに足してから切るのは斬新なアイデアだよね」

「そうか?」

「違うの?」

「1970年代末期、N-BASICのソースでよく見たテクニックだぞ。手垢が付きすぎてどこが新しいのか分からないぐらいだ」

「えっ?」

「HEX$という16進文字列に変換する関数でよく使われていた。right$("000"+hex$(x),4)とかやってさ。あまりにも当たり前すぎてすらすら出てきた。正しいという保証は無いけど」

「それってどういうこと?」

「その程度の基本的な書式整形はどんどん基本機能に組み込まれたので、テクニックとして継承されなかっただけだろう」

「N-BASICって最古のBASICじゃないだろ?」

「少なくとも日本で最初にhex$関数が実装されて普及した最初のBASIC言語だからだろうな。それ以前は無いから使われなかったのかもしれん」

「ぎゃふん」

「だからさ。本当に驚くべきは、その程度の基本機能も欠いているJavaScriptの貧弱さかも知れない」

「えー」

「でも、物事を知らない馬鹿どもがこれをWebの標準にしてしまったので、この先はこれをマシン語としてもっと高級な言語からコンパイルして使われるようになるぞ」

「君はそれでいいのかよ」

「いいわけがない。でも乗り切れる」

「その自信はどこから来るの?」

「だって、その程度の書式整形機能も持たない貧弱なN-BASICを使い込んできた男だぜ」

「ひ~」

「でも、N-BASICはprint usingがあるだけマシ。10進数ならけっこう書式整形できる。でも、それすらできないもっと遙かに貧弱な8080のマシン語だって使っていたんだぜ。ケケケ」

「楽しそうに言うなよ」

「楽しいわけ無いだろ。ケケケ」