「今回は、見に行った本屋においてあって、表紙にヤマトが載っているという基準で2冊買ってきた。他にヤマト掲載本が無かったわけでは無いが、とりあえずオマケ付きの電撃ホビーが高すぎて2冊だけでも出費は真っ青だった。以上……以上」
電撃ホビー §
「まずは電撃ホビーから」
「うん」
「オマケにまた箱が付いてる。いい加減にしてよ。それを買わされる身にもなってよ」
「わははは」
「でもまあ、グレー一色のキャラものキットは嫌いじゃ無い」
「なぜ?」
「好き勝手に塗れるから」
「ぎゃふん」
「というわけで箱を開けてみた」
「それで?」
「2色の色プラだった……」
「わははははは。グレー一色じゃないじゃん」
「更にランナーを見た。適当に作るかと思った。でも、どう見てもパーツが足りない」
「は?」
「改造パーツだった。別のキットを買わないと作れない」
「わははは」
「別のキットまで買う気は無いので、このランナー改造用のジャンクパーツ扱いかな」
「そうか」
「でも、そんなパーツならいくらでもあるよ。これ以上、場所をふさぎが増えてどうする」
「ひでー」
「というわけで、個人的には玉盛さんのインタビューがいちばん面白かった」
「どのあたりが?」
「人間を基準にメカを考えるのが基本というのは、大いにうなずける。なぜなら自分と全く同じだからだ」
「君の場合はどうやってるの?」
「たとえば、昔ワンフェスで売った宇宙機のデータなら、ちょっとだけスペース1999のイーグル風なのだが、実はコクピットが外部に飛び出して設置されている点で決定的に異なる」
「なぜ飛び出してるの?」
「操縦する人がよく見えるからだよ」
「それで宇宙機全体のサイズが分かりやすくなるってことだね」
「他に、昔ワンフェスで売ったラト姫物語のガレキの宇宙戦艦も、1フロアの高さで船体に段差を付けて、あとは窓デカールでどこが目の高さか分かるようにした。1/2400と小さいので人の息吹を感じさせるのは難しいが、ともかくキャビン部分は人のサイズを基準に決めてある」
「なるほど」
「その点でヤマトはえらい」
「どうして?」
「ヤマト1974は、OPから既に窓から見える中の人というカットがあり、人の大きさが基準になる。まあ寸法は嘘が多いけど。他には、艦橋とか展望室も窓とか、大きさを人間基準で把握しやすいものは多い」
「ヤマト2199は?」
「船外から見える人間の出番が凄く増えている。カタパルトの下の窓から人が見えるし、きりしまも手前に人がいて主砲を撃つカットがあったりして、凄く人間対比でサイズが分かりやすい」
「なるほど。じゃあダメな例ってあるの?」
「あるよ。たとえばガ●ダム。地上にいるうちは、モビルスーツから人が爆弾取ったりしてサイズが分かるけど、宇宙に行くと宇宙戦艦とモビルスーツと宇宙服を着た人間が画面内のレイアウトの比率として同じになってしまって、サイズの違いが分かりにくい」
「えー」
「昔、モデグラのガンダム宇宙艦船の特集を見てぶーぶー文句言ったこともあるしな。精密に作り込んで『これなら艦船モデラーも納得でしょう』という態度で差し出されても『ふざけんじゃねー』という低レベルだったことがある」
「なぜ精密に作っているのに低レベルなの?」
「MSのサイズは分かっても人間のサイズが分からないからさ。それじゃ、いったいどれぐらい大きいアイテムの模型なのか全然直感的に分からない」
「ひ~」
「正確な寸法はともかく、第1艦橋の窓の大きさから全体の大きさが直感的に分かるヤマトとは大違いってことだ」
「人間の大きさを考えないでいくら精密にしても、感情移入不可能ってことだね」
「キャラものなら、それでもいいかもしれない。結局、どれほど大きくてもロボは自分。サイズに関係なく精密に作れば良い。どのみちロボは自分なのだ。自分の大きさを分かりやすく理解する必要は無い」
「ひぇ~」
ホビージャパン §
「山田卓司さんの1/1000ヤマト作例が良かった。生々しい臨場感があって」
「どこがいいの?」
「地面に煙。空中にヤマトなのだけど、ヤマトと煙の中間に空間がある。その空間がいい! そこが臨場感だ!」
「煙が発生している場所と、煙の発生源は同じ場所とは限らないってことだね」
まとめ §
- ドメルが紹介されている。第3章で登場なのだろう
- ヒルデ・シュルツの絵が説明無しに載っている。さりげなく人気なのだろう
- シュルツ艦の絵もあるぞ。第3章に登場を期待していいのだろう
- この先、電撃ホビーにファルコンのキットが付属するらしいぞ
- 玉盛さんは米軍統治下の沖縄生まれ
「というわけで、玉盛さんは皮膚感覚で兵器が分かる人なのだろう。だから、兵器を『設定』ではなく、『生身の確かめられるもの』として描こうとする。しかし、それは本当ならみんなが持っているはずのものだ。精密にハッチを作り込む艦船モデラーも、パイロットフィギュアを乗せることにこだわる航空機モデラーも、ハッチの外で双眼鏡を見ている戦車長をわざわざ乗せる戦車モデラーも、結局は同じなのだ。そこにこだわらないのはロボモデラーだけかもしれない」
「ひぇ~」
「でも、それじゃ模型の世界に入っていけない。皮膚感覚で入って行くには人の大きさが分からなければならない。これは必然」
オマケ §
「ウォーターラインシリーズを最初に見た時の感動」
「それは何?」
「甲板上に階段がモールドされていた。サイズ的に嘘だと思うけど、急に大きさが身体感覚で理解可能になってドキドキした」
「凄い大砲とか魚雷じゃなくて?」
「そう階段に感動した」
「ひぇ~」
オマケ2 §
「でもそれ以上に絶句したのは1/350の水兵のエッチングパーツの存在を知ったとき。人間を感じさせるパーツを作るのでは無く、人間そのものを1/350で乗せようとするのか!」
「凄く小さいよ」