「ワンフェスだーーーっ!」
「君はもうワンフェスに行かないって言ったじゃないか」
「モデラーとしてはもう行かない。ちょっと幕張は遠すぎる」
「ではなぜ行ったの?」
「ヤマトファンとして、モデラートークショーが見たかったから」
「ぎゃふん」
「14時開始予定だが、早めに会場に入った」
「それで?」
「早めに2199ブースに見に行くとワンダバコスモタイガーが聞こえて、第二章のPVが流れていた」
「おー」
「けっこう多くの人が見入っていたが、近くの他のブースででかい音がするとそっちに流れる人も出た」
「どういうこと?」
「企業ブースコーナーは、大音量で他の企画をつぶし合う凄惨な殺し合いも現場であった。実際、トークショーの途中でもけっこう騒音の妨害を受けている。いくらなんでもそれはないよだ、というかなりの音が他のブースから漏れてきたよ」
全般的に §
「ここは、ヤマト2199自身と、ホビージャパンと電撃ホビーマガジンの連合軍で成立していた。これらの雑誌の作例も堂々と展示されていた」
「モデグラは?」
「枢軸になっちゃったみたいだね」
「連合と枢軸って、その説明凄く分かりにくい」
「別の言い方をするとさ。ヤマトになると全ての関係者が半歩行き過ぎちゃう」
「それで雑誌の垣根を越えちゃうわけだね」
「更に別の言い方をする。実はホビージャパンと 電撃ホビーマガジンにとって、ガンプラは主力商品なのだ。主力商品に陰りがある今、他の選択肢が欲しいのは同じ。その点でバンダイも友軍。しかし、モデグラにとって、ガンプラは部数を伸ばすためのイロモノ。もともと、スケールモデルが基本中の基本。だから、雑誌の軸としてポストガンプラはホビージャパン、電撃ホビー、バンダイほどには欲していないような気がする。そこが、連合軍にモデグラが参加していない遠因という気がする」
「身も蓋もない」
トークショー §
「凄い……。120%のトークショーだった」
「つまり、トークショーそのものが半歩踏み越えていると?」
「うん」
「たとえば?」
- 幻の自分のデビューはここ、掲載誌を自分で持ってきて見せる山田卓司さん。出渕さんの記事と一緒に載っている
- 1/1000自分も欲しくなったよ
- メカものはやっていおらずヤマトの実績は無いかに見えたTOMOさん。キャラの依頼ばかりなのだが元はメカだと言って趣味で作った戦闘空母とアンドロメダの模型を持ち出す
- 更にTOMOさんは、戦艦36巡洋艦81とさらっと言ってのけたよ!
- 時間の都合で桜井さん途中退場、ところが、会場にバンダイの担当者がいて壇上に呼ばれて上がってしまったよ
- でもって、この人の半歩行きすぎている熱烈ヤマトトークを喋って、予想以上
「戦艦36巡洋艦81って何? ヤマト1974第1話の超弩級戦艦6巡洋艦8のこと?」
「いいや。こっちはさらば宇宙戦艦ヤマト。聞くまで忘れていたけど、こっちも覚えている」
「ひ~」
「既に分かったことは、こういう数字を暗記している人間はとても少ない。マニアだ」
「君と同レベルのマニアって事だね」
「しかし、1/1000ヤマト買ってどうするだい?」
「作るしかなかろう」
「作ってる時間があるのかい?」
「実は桜井さんが、塗らないでつや消しと汚しだけで仕上げたと言っていた。それがありなら十分に作れるよ」
「ひ~」
ズチャヤマト §
「ズチャヤマト(局名不詳につき自分命名)」で入場
「あの音楽か」
「やはりズチャヤマトが2199の顔だね」
ヤマトガール §
「2199のヤマト乗組員の主要女性登場人物を模した5人の女性がいた。これがヤマトガールらしい」
「ヤマトガールって前にもいなかったっけ?」
「確か、SBヤマトの時にささきいさおのバックで踊っていたチア集団がヤマトガールズ。それとは別物」
5mヤマト §
「あの5mヤマトって、昔カフェクルーにあった5mヤマトを2199仕様にリペイントしたものかなあ。良く分からないけど」
「僕にも分からないよ」
あの作例 §
「山田卓司さんの沈没戦艦ヤマトと浮上したヤマトの作例の現物が展示してあって、それを見られて嬉しい」
「ホビージャパンに掲載されていたアレか」
「あれを見たら、彼こそプロモデラー選手権の常連優勝者と納得したよ」
「昔と言ってることが違うぞ」
「まあいろいろ複雑だからな。しかし、ヤマトファンであるとカミングアウトして作例まで熱心に作っている彼を否定などできない」
その他 §
「展示にも凄く厚みがあった。各雑誌のヤマト関連作例も多かったし、発売予定モデルの審査中模型の展示あった」
「発売予定って?」
「たとえば、電撃ホビーに付属予定のファルコンとか」
カミングアウトといえば §
「カミングアウトといえば」
「いえば?」
「TOMOさんもヤマト艦船を作っていた過去のカミングアウトも凄いし、山田卓司さんのヤマト体験のカミングアウトも凄いけど、まさかと思った知り合いのディーラーの協力者までヤマトファンとは知らなかった。カミングアウトされてびっくりだよ」
「それで?」
「彼は5万円散財して、さすがにそこで止めたと言っていた。あと電撃ホビーのファルコンは10個買うと言っていた」
「ひ~」
「まあ、通常時ならうちもかなりヤマト散財していた可能性がある。既にヤマト貧乏だから抑止したけどね」
オマケ §
「トークショーの前に会場を歩いているとあるブースでライブが始まった」
「それで?」
「音がでかいから聴きたくなくても横を通ると耳に入ってしまう」
「わはは。難儀だね」
「ところがイントロを聞くとリズムは合格。十分に聞けるいい音楽だった」
「それはラッキーじゃないか」
「でもアイドル女性っぽいボーカルが入った瞬間、しおしおだった」
「ひ~」
「会場の空気に飲まれている部分があるにせよ、あれはない」
「演奏は良いけど、ボーカルはNGなのね」
「しかも、ノリノリのファン達。あれも違和感バリバリ」
「演奏は良くてもボーカルとファンにはダメ出しってことだね」
「騒音で圧倒する以上の芸を見せられていない……」
オマケ2 §
「事前情報で小林さんがとあるブースにとある時間いるよ、という話があったじゃない。それはどうだったの?」
「ご尊顔は見られなかった」
「なぜ?」
「あっちへふらふら、こっちへふらふらしていたら、その時間内にそこまで行けなかった」
「えー」
「造形のお祭りだからな。見るものが多すぎて死ぬよ」
「ヤマト以外に興味は無いのだろう?」
「素材系、工具系の展示には興味があるんだよ」
「そこで引っかかるわけだね」
オマケIII §
「それで感想は?」
「死ぬほど疲れました。まず幕張が遠くて死にました。駅を降りたら暑くて死にました。駅を降りてオロチョン・ラーメンを食べたら、暑くなってますます死にました。そして、会場を歩き回ってそのままずっとトークショーを立ち見して足が死にました、帰りは快速に乗れたのはいいけれど快速だから混んでいてやはり立ちっぱなしで死にました」
「ひ~」
「007は2度死ぬ。autumn009は2度死ぬ」
「猛暑なのにオロチョン・ラーメンとか食べるな」
「でも、やっとできてスープを一口飲んだ時点で思った。やっぱりオロチョン・ラーメンは美味い。海浜幕張で昼飯を食うときはこれがいいな。汗をかきすぎたのは結果論だ」