「まあ、1/1000ヤマトを実際に作るという前提で真剣に考えてしまうと問題が1つ生じた」
「へ?」
「ヒス君、君は馬鹿かね」
「はっ。Tonoz総統万歳」
「もし模型を作る場合に何が起こると思うかね?」
「君のポリシーは色だね」
「そうだ。傲慢不遜にオフィシャル設定を踏みにじり、自分で設計した色バランスで好き勝手にぺたぺた塗る」
「まさかヤマトもそうだと?」
「その通りだ。ヤマトだけ例外にする気は無い」
「がーん」
「と言う話を前提に考えてみよう」
「何をだよ」
「実はヤマトの色バランス設計は気にくわない」
「えっ?」
「どこが良くないのかといえば、甲板のグレー。ここが面白くない」
「なぜ?」
「理由はいくつかある」
- 砲塔や艦橋などの上部構造物と一緒になって埋没してしまう
- 艦上部の変化が乏しい
- 戦艦大和は茶色だ (黒くしたりもするらしい)
「話はそれだけ?」
「いや。実は、電撃ホビーの桜井信之さんの作例はブラウンだ。ホビージャパンの山田卓司さんのジオラマ作例は甲板に限らず全体的に汚しが入っていて明るい」
「えっ?」
「自分が持っている問題意識に似たものを、実は桜井信之さんも山田卓司さんも持っていたのでは無いか」
「君はどう考える?」
「山田卓司さんの解釈は発進直後でまだ汚れている解釈なので他のシーンに転用できない。なので、桜井信之さんの解釈の方を支持する」
「なんか凄い話になってきたね。オフィシャルを平然と無視すると言いながら、桜井さんはオフィシャルに連なるモデラーだろ?」
「そうだ。そこでもう解釈が揺れている」
「では君が作るとしたらどうする?」
「青っぽい艦体色に黄色っぽい明るいブラウンの甲板色。これで色バランスはかなり良くなると思う。これが自分なりの色設計……なのだが……」
「は? なのだが?」
「桜井解釈を踏襲するだけでは面白くないじゃない?」
「えー」
オマケ §
「宇宙で木の甲板は無いだろう……という話はここでは却下する」
「どうして?」
「木のような色を塗ったとしても、材質が木とは限らない」
「えー」
「これは色バランスの問題の話であり、どんな色がそこにあればしっくり来るかが問題なのだ。材質の問題ではない」
「見栄えが良ければ、解釈は後から付いてくればいいわけだね」
オマケ2 §
「実はこの延長で、主翼の色は何色は良いのか。第3艦橋の色は何色が良いのか、という問題も芋ずる式に出てくると気づいた」
「それで?」
「まだ検討を要するが今の気分で言うと主翼は上下とも艦底色(つまり下半分と同じ色)。第3艦橋はグレーが良いような気がする」
「2199よりも復活篇側に寄ってるね」
「しかし、探照灯は探照灯として色を変えた方が良いと思う。アクセントになるから」
「そこは2199かよ」
オマケIII §
「本当のことを言うと結論に至るまで迷走してしまった」
「どこで?」
「桜井さんの作例を見てヤマトとは違うのにこれでいいような気がして、自分でも分からなかった。しかし、自分で塗る前提に立って初めて分かったよ」
「ぎゃふん」
「やっぱり自分のこととして考えないと見えてこないことがあるなあ」
「それで?」
「桜井さんの評価ポイントアップ」
「それだけ?」
「実は山田卓司さんの塗り方の処理方法に一部自分と似ている傾向を見出してショック」
「山田卓司さんの評価ポイントもアップかよ」
「まあな」
「ところで天賞堂の話はどうした」
「先延ばしした。ワンフェスで読者も疲労のどん底かも知れないので」
「君もだろう」
「さて、今日はYRAの更新だ」