「勢いで、模型の配置を整理してしまった」
「は?」
「いや、完成品が増えてきたので、見やすい位置の本棚を開けて展示スペースを作ったのだけど、その関連でいろいろ入れ替えたりしたのだ」
「面倒だね」
「で、中央の空母が中学生時代に作ったエンタープライズ。エレベーターを中途半端な高さにして移動中を表現したり、艦載機の翼を切って折りたたみ状態を表現したり、それなりに当時としては意欲があったものの、既に細部は半壊状態で埃もかぶっている」
「後の車は?」
「ブルマークのポインター。ミサイルが上手く出ない。昔の金型なんて嫌いだ。ギミックが機能しない」
「横の女の子は?」
「昔作ったガレキ」
「手前は?」
「GP01と顔がちらっと見えているのはおそらくHGのZガンダム」
「なんてそんなものがあるの?」
「GP01はね。確かコンビニで売ってたの。びっくりして買っただけ」
「ははは。じゃあZガンダムは?」
「完全変形だったから珍しくて買った」
「わははは」
「あと、女の子の後に見えているのはMG∀の足と、ボークスの素体で作ったアクションフィギュアだな」
「これだけ?」
「いや、倍以上のキットの完成品と作業中のキットを並べてしまった」
「ひぇ~」
「しかし、まだ塗ってないキットが山ほど出てきたのはある意味で収穫。当時は塗りに自信が無かったので、塗るまで達していないものが多いが、今は塗るのが好きだから丁度いい。これらを全部完成させたらかなり楽しめる」
「GP01もまるで塗ってくださいと待っているようなものだね」
「まさにその通り」
感想 §
「いろいろやった割にものになってないな」
「わははは」
「しかも、作ったことを忘れていたキットまで」
「わははは」
「しかし、エンタープライズはもう作れないな」
「どうして?」
「1/700の艦載機にデカールの星条旗マークが貼ってあるんだ。そんな細かい作業は手が小さい中学生時代じゃなかった無理」
「それにしても、エンタープライズっていっても、スタートレックじゃないのね」
「バルキリーだってXB-70だよ」
「って君の中学時代にVF-1のバルキリーはまだ無いだろ」
「ライトニングもF-35じゃなくてBAE。燃料タンクが主翼の上にある奴」
「だからそれも君の中学時代にはまだ無いだろ。空自の主力戦闘機はまだF-4ファントムだろ。イーグルすらまだ配備されてないだろ」