2012年08月10日
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東電総合グラウンドの正門論

Written By: 川俣 晶連絡先

「東電総合グラウンドはもうすぐ消滅するので改めて書いておく」

「君は東電や原発を支持するのかい?」

「支持でも不支持でも無い。何が正しいのかも良く分からない状況で判断などできるわけがない」

「君の能力不足?」

「いや。政府や大企業の言い分が嘘くさいのはある意味でいつものこと。でも、反原発派の言い分は詐欺臭い。人々の恐怖を煽って、まともな判断をさせないレトリックに満ちている。このような状況下で正しいと確信できる情報はいったいどこから来るんだ? そういう情報抜きで正しい判断ができる人間がこの世のどこにいるんだ?」

「いやその……」

「ともかく話題の脱線は修復して本題に戻る」

「分かったよ」

東電総合グラウンドの正門 §

「下高井戸の東電総合グラウンドは、杉並区に売却されて公園になる。各方向から出入り自由の開かれた空間になるようだ。周囲の公園とも連携して規模も拡大するようだ」

「今のグラウンドは消滅するわけだね」

「そうだ。だから消える前に1つだけ思ったことを書いておきたい」

「それはなんだい?」

「ここは正門の位置が不便すぎる」

「どうして?」

「正門から出て直進すると玉川上水跡の手前に崖があって階段がある。階段を上がると玉川上水跡だが、東電総合グラウンドが出来た頃はまだ水が流れていてまた交通に不便。更に言えば、近くにある東電の大施設である和田堀変電所から行くには門の向きが全く逆」

「和田堀変電所から行くとすればどうなるの?」

「永福通りから来るなら東側に門がある方が便利だろう。荒玉水道経由だと出るのが不便だし、門に入るには回り込む必要があるので更に不便。かといって、下高井戸駅や桜上水駅から便利な位置とも言えない」

「なるほど」

「ともかくだ。南側に門を設けるのなら、玉川上水の橋と連続した位置にあるのが自然に思える。実際、小菊橋や美宿橋の先に東電総合グラウンドはあるわけだし」

「東電の施設に対して便利にしたいなら北東側に門を設けた方がいいわけだね」

ならば? §

「というわけで、考えた。明らかに筋が通らないように見えるこの配置。実はこの施設の本当の意図はスポーツ用の福利厚生グラウンドでは無いのではないか」

「えっ?」

「あえて不便な道を付けることは実は珍しくない。直進させない経路をあえて用意するのだ」

「その方が軍事的に有利ってことだよね」

「だから、そういう戦略的な拠点として設計された施設が東電総合グラウンドでは無いだろうか。311のおかげで手放すことになって公園になってしまうが」

「戦略的な拠点って東電が?」

「有事には電力は非常に重要な戦略施設になるのだ。敵から狙われるし、真っ先に防衛される施設の1つでもある。何しろライフラインの1つだからな」

「じゃあ、君の想像は具体的に何?」

「ヘリないし軽飛行機を使用した物資集積基地だな」

「なぜ?」

  • 陸上交通手段ではアクセスしにくいように門の位置が設定されている (テロリストが大挙して襲来しにくい)
  • 敷地が細長くて大きい
  • 敷地が分断されていない。かつてのムラキ部品には中央を貫通して通れる道があったが、東電総合グラウンドにそのようなものは存在しない (地元民にはとても不便)
  • 神田川または甲州街道に沿って飛べば地文航法でも簡単に都心に行ける
  • かつては全周の80%ぐらいが水路に囲まれていた、非常に軍事的に有利なロケーション

「空路が前提なら門の向きがどちらを向いていても同じだ。むしろ招かれざる客が来にくい位置の方がいい」

「それって確実なの?」

「ははは。ただの感想文だ」

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