「宇宙戦艦ヤマトIIIの次元潜航艇は、板橋克己デザインではあるが、アイデアは出渕さんらしい」
「それで?」
「ヤマト2199にも出てくるようだ」
「なるほど」
「いやいや。まだ話は半分だ」
「えっ?」
「ガルマンガミラスだからナチスドイツ的……とも思えるが、実はそうでもない。ヤマトIIIの次元潜航艇は、実はイメージ的にUボート以外の潜水艦に引っ張られている面があり、あまり一貫していない」
「どういう意味?」
「Uボートとは通商破壊戦用の兵器であり、敵の戦艦と正面切って戦うような軍艦ではない。そういう意味で、最強の敵艦を仕留めるために投入する兵器ではない」
「Uボートが戦艦を仕留めている事例もあるよ」
「食えるときは食うだろう。でも、戦艦を食うために投入される兵器でも無い、ということだ」
「へー」
「一方で、日本の潜水艦は艦隊決戦における敵艦隊攻撃用で、積極的に敵の大型艦に攻撃を仕掛ける兵器だ。仕掛けるには位置を探さねばならないので、偵察機だって積み込んでしまう。ひたすら艦は大型化して行く」
「それはUボートと違うってことだね」
「だからさ。出渕さんはリベンジマッチが必用だったのだ。ドイツびいきのガミラス派としては、ちょっとイ号っぽく流れている面があるガルマンウルフを自分なりに叩き直したいのでは無いかと想像する」
というわけで §
「なぜか、自分の1/1000ヤマトの塗装がUボートの作例と似ているというトモネコさんの話から急にヤマト2199とUボートの話に急速接近してしまった」
「ひ~」
「おそらく、今ここでUボートに注目しておくことは意味がある」
「そうか」
「更にデーニッツ的なキャラが出てくる可能性もある」
「えー」
「そもそもデーニッツという名前そのものがガミラス的だしな。ゲーニッツみたいで」
「いや、ゲーニッツはガミラスじゃないから。彗星帝国だから」
というわけで2 §
「だから、ここでUボートに注目することは間違ってはいなかったのだ。第四章の予習になる」
「高橋葉介のUボートレディを読むことも予習になる?」
「それは分からないが、トモネコさんも面白かったそうだし、それはそれでいいだろう」
「たとえば?」
「Uボートレディに出てくるUボートは甲板の人物との対比でかなり小さいことが分かる。イ号潜水艦を見慣れているとかなり違和感があると思う。でもUボートは小さいのだ。日本に来たUボートはロ号にになった。つまり、イ号よりも小さいのだ」
「弱いって事?」
「そうとも言えない。以下の特徴があるからだ」
- 決戦用ではない (日常的に使って消耗するものである)
- 群で行動する (ウルフパックである)
- 潜水艦の最大の特徴は隠密性。小さいから隠密性に劣るわけでも無い (状況によりけりだが)
- 飛行機は積まない (積んだ方が良いのか悪いのかは別として)
「つまりどういうこと?」
「敵の輸送船がいるぞ、と通報を受けて先回りして待ち伏せる」
「うん」
「そして、不意打ちで乗り込んで制圧する」
「沈めないの?」
「そう。魚雷勿体ないから」
「えー」
「その後は、相手の船の乗組員を移乗させて自沈させてしまうか、拿捕して味方に引き渡してしまうといいぞ」
「えー」
「これが経済的な戦争のやり方だ」
「こちらは金を掛けないで、相手に経済的な消耗を強いるわけだね」
「しかも、基本的に敵を殺さない。『逆らうと殺すぞ』と言って脅すだけでいい」
「それは、敵艦を沈めることが前提の戦争とはかなり違うね」
「まあ、それをさせないためにイギリスもいろいろやったから、そんなに上手くは行かなくなるのだけどね」
「へー」
「うろ覚えのいい加減な記憶で書いているから信じるなよ」
「ひ~」
オマケ §
「検索で偶然引っかかったページだ」
10月15日の科学教室「宇宙戦艦艦載機を作ろう!」より
この日の科学教室は宇宙戦艦の艦載機を作ってしまおう!という内容でした。 ヤマトですね 笑
「やるな、和歌山大学」
「えー。大学なの?」
「大学でやってる親子向け科学教室らしい」