2012年09月12日
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続・東急世田谷線下高井戸駅ポイントの謎【解決編】

Written By: 川俣 晶連絡先

 上北沢のトロッコの方からいろいろ教えて頂きました。

Subject: 東急世田谷線下高井戸駅ポイントの謎

Keyword: 【▲→川俣晶の縁側→歴史と文化→下高井戸周辺史雑記】

URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20120910113652

本文:

川俣様

下高井戸の玉電の件、またまたお邪魔致します。

1.フランジで強引に・・・の件ですが、

  現在でも下高井戸の世田谷線のポイントはスプリング式です。

  ただ、昔よりばねが柔かくなったので、復帰がゆるやかなので、自動制御のように見えます。

2.戻り方がきつい(音の大きい物)ものはそれだけ保安度が高いように見えますが、車輪の横圧でポイントレールの先端軌条(自由に動く細いレール)の寿命が極端に短くなります。

  東急の省力化では、保線が矢面ですので、線路の保守点検は極力減らすようにしているはずです。

3.散水も、曲線の(またはポイントのフランジ磨耗防止のために)昔のグリース油の代わりに行われています。

  散水時間は、列車に関係なく一定のはずです。(天候に左右されないため)

  油の代わりに水を撒くというのは、箱根登山電車には戦前からあります。

  油を撒きずぎると、レールの電気接点が保守しづらくなると言う欠点がありま   す。(接点不良で運行が出来なくなることもよくあります)

  列車運行回数が多いところは、グリースでも大丈夫ですが。

  (電車の車輪が少しずつ油をもってゆくので、ダマにならない=接点不良になりづらい)

4.踏切が通行時間と関係なく作動する

  これは、作動が基本的に列車の進入進出に、普通に連動しているからです。

  踏切自体の通行時間は何かしらの要因で制限されていても、装置の根本改定はさ  れていないと見たほうが良いと存じます。

  昔の第2種踏切の逆バージョンみたいですね。

そういえば、昔の世田谷線の信号機(黄色矢印と赤×)の灯器は、道路の信号機の流用品でしたね。下高井戸の場内信号機も道路信号機でした。

(出発信号機は、鉄道用2現示信号機(Y・R)でした・いまでも同じ物かもしれません)

ではまた。

失礼致します。

 いろいろ、ご教示ありがとうございます。

 というわけで、今日もポイントを見に行きました。

 分かったこと。

  • フランジがポイントを押し開いて通過している
  • ポイントは緩やかに戻ろうとしている
  • 車輪が通過するごとに少し戻るがまた車輪が通過すると戻される
  • 戻る距離が大きくなると急に加速して押し戻される感じ
  • 進入時(つまりポイントを強引に開いている時)よりも、出発時(ポイントの定位置を通過するとき)の方がより速い気がする

 ということで、おそらくスプリングポイントだと思います。つまり、人も機械もおそらくポイントを制御していません。

 散水に関しては、おそらくタイマーでしょうね。より長く撮影できたので、もう1回動画を貼り付けます。

フランジ §

「ところで、フランジという言葉を無説明で使っていいのかい?」

「スプリングポイントの話では避けて通れない」

「そもそも、スプリングポイントが意味不明じゃないかい?」

「確かに季節は春ではないのに、スプリングポイントの話題とはこれいかに」

「それは何か意味が違うぞ」

下高井戸周辺史雑記