「古代は山本をコスモゼロに乗せて僚機として飛び立った。2機単位で索敵に出たのだ。この判断は妥当だ」
「なぜ?」
「性能が違う航空機でペアを組むと無駄が多いからだ」
「どこが無駄なの?」
「スピードが速い機体は遅い機体を引き離してしまう。そこで速度を調整する手段を講じる必要がある」
「たとえば?」
「グラマンのバリカン運動というものがある」
「それはなんだい?」
「戦闘機爆撃機雷撃機の3機編成で武装偵察戦隊を組んで行動するのだ」
「なぜ?」
「昔、アメリカ海軍は急降下爆撃機だけで偵察に行ったのだ。敵を見つけたら爆弾の1発ぐらいは落としてやれ、という心意気だ。しかし、それでは敵機に弱いし、打撃量も小さいから戦闘機と雷撃機も随伴させるようになったのだ。しかし、戦闘機のグラマンだけ早すぎるのでジグザクに飛んでスピードを合わせるのだ」
「それで?」
「それがバリカンの動きに見えるので、グラマンのバリカン運動と言われる」
「3機編隊の武装偵察戦隊で何をするの?」
「何せ数が少ないから、太陽を背にして見つからないように襲撃するのだ」
「へー」
「これを太陽戦隊サンバリカンという」
「嘘付けっ! っていうか、そのオチを言うために全部作り話だろ!」
「てへっ!」
「ネットの情報嘘だらけとか言って自分も嘘を増やしてどうする」