2012年09月24日
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2199方式・3D映像に描きで2Dを描き足すことは是か非か

Written By: トーノZERO連絡先

「たぶん『3D映像に描きで2Dを描き足すことは是か非か』というテーマを掲げると賛否は両論だと思う」

「2199方式だね」

「問題は、この問題にはもうちょっと根深い問題があること」

「それはなんだい?」

「2D加工には実は2種類あるのだ」

「えっ?」

「1つは、ソフトで加工する方式。Adobe After Effectsなどを使用する。使ったからと言って極端に手間が掛かるわけではないが、使い所を見極めるのは難しいものだ」

「じゃあもう1つは?」

「手で書き加える方式。動画で使えば、使えば使うほどコストが跳ね上がる。全てのコマに描き加えるわけだから」

「なるほど」

「ここで更にもう1つの補助線を引く。特撮だ」

「は? なぜアニメの話に特撮が?」

「フィルムの上に描くことも行われるからだ。つまり、実写という一種の3D映像に手描きのビームなどを追加することは昔から行われていることだ」

「話がかなりややこしくなってきた」

「そうだろう?」

「では、君の考えを聞かせてくれ」

「単純に2Dで描き足すのは自分としては非だ」

「なぜ否定的なの?」

「コストの都合でカメラの動きを制約してしまうからだ。物体を自由に動かすこともできなくなり、静止画は重厚になるが動きが眠くなる。アニメーションは動いてこそ意味があると思う場合、これは良くない傾向に評価できる」

「なら良くないじゃないか」

「しかし、アニメ屋さんはあまりピンと来ないかもしれない」

「なぜ?」

「アニメというのは、コストの都合で大半の動きは眠いものだ。それが嫌ながらコスト度外視の予算と才能を注ぎ込むしか無い」

「ひ~」

「が、問題はここで終わるわけでは無い」

「は?」

「実際には、何もかも3Dで処理せずAfter Effectsに任せた方が良いものもある、という意見もあるし、特撮でも使いようという部分があるのも事実。特定のポーズから発射される必殺ビームを撮るためにカメラやポーズを動かす意味もあまりない」

「スペシウム光線は特定のポーズで発射されるものであって、別にポーズを変えなくてもいいわけだね」

「そういう場合も、2Dでやってしまって悪くは無いと思う」

「最終的に何が言いたいわけだ?」

「だから2Dで描き足すのはおそらく特撮の発想では無いかと思う。総監督が特撮系のデザイナーなので、そういう発想が頭にあったのではないだろうか?」

「そこはアニメ頭には無い柔軟性ということだね」

「でも弱点はある」

「どこ?」

「船というのは基本的に複雑な曲面を持つものなのだ。それを描くだけで本当はただのパンでは済まないぐらい、見かけ上の形状の変化が発生する。でも、手で描き込んでしまうとコスト的にパンになってしまう」

「ひ~」

「そこでポイントはバンダイの1/1000ヤマト2199だ」

「なぜ?」

「模型というのは、複雑な曲面と対話する近道」

「どうやって」

「手に持ったヤマトの角度を少し変えるだけで、違って見えるわけだ。難しい知識もセンスも不要。とても簡単」

「君は現状に不満があるのか楽しいのか良く分からないよ」

「両方だ」

宇宙戦艦ヤマト

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