「台座は一気に黒く塗ってしまったよ」
「なぜ黒?」
「目立たない方がいいからね」
「ヤマト本体に入れた黒と喧嘩しない?」
「本体の黒はつや消し。台座は艶有り。喧嘩しないことを祈ろう」
「もしダメなら?」
「塗り直すだけだ」
「ひ~」
「あと格納庫展示用の支持枠は取ってしまった」
「どうせ作ってないから使う機会は無いわけだね」
2号艦へのプレリュード §
「ヤマトのデザインの艦底部への不満って何?」
「第3艦橋ってさ。アニメで動いているときはいいけど、事前の予備知識無しで静止画を見ると他の宇宙船が艦底部にドッキングしているように見える。というか、自分の初見はそう思った。ヤマトの本放送の開始前で、学習雑誌のイラストだったから」
「ヤマトの一部だとは思わなかったわけだね」
「だから、2号艦の艦底はあくまで赤で行くよ。形状の方を変えていく」
「ところで、ヤマトオンリーなの? 他のフネは作らないの?」
「今のところ予定は無い」
「欲望も無いの?」
「強いて言えば、冥王星の地球艦隊を練習機のイメージで塗って仕上げたら面白いと思うのだが、題材として今はヤマトを極める方が面白い」
「同じアイテムでも?」
「そうだ。1/1000ヤマト2199は2つ以上作るべきだと思う。そういう模型だと思った」
「タミヤのWL大和を作るタイミングを逸しても?」
「そうだな。大和よりヤマトの方が面白い」
「なぜ?」
「大和は史実があるから足を踏み外しにくい。一方で、ヤマトは足りない部分をファン側で埋めていく余地が多く、そこで独自性を発揮しやすい」
「アニメも絶対じゃ無いしね」
「そう。絶対唯一のヤマトの存在はアニメの作画のぶれから否定される」
「確かに」
「それにヤマトにも出来の良い部分とそうでもない部分は確かにある」
「たとえば?」
「格納庫は明らかに出来が悪い。復活篇も2199も格納庫をどう変えるかが目玉になっている」
「君はどうする気?」
「もちろん変える」
「2199方式は気に入らないわけ?」
「うん。構造的に窮屈すぎる。ああいう凝り過ぎのギミックはたいてい壊れていざというときに役に立たない」
「賢い構造ではないの?」
「復活篇の複数機まとめてエアロックに入れる構造の方がずっといい。あれは動く部分がずっとシンプルな構造で役に立ちそう」