2012年10月02日
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TypeScriptの衝撃

Written By: 川俣 晶連絡先

「これはけっこうやられたなあ」

「なんだい?」

「そもそも、JavaScriptというのはC#から見れば論外に生産性が低い時代遅れのクソ言語なのだ。そんなことはないという意見もあるが、それは本当に生産性が高い世界を知らない者達の言い分だろう」

「えっ?」

「しかし、これがWebの標準になっている以上、JavaScriptで実行することはある意味での前提であることも事実」

「ならどうすればいいんだい?」

「昔来た道だよ。アセンブリ言語の生産性が低ければ高級言語があればいい」

「JavaScriptは高級言語じゃ無いの?」

「言語の高級低級は相対的なもので、基準点の取り方次第でいくらでも変わりうるものだ」

「じゃあ、もっと高級な言語をコンパイルしてJavaScriptのコードを得るような処理系があればいいのかい?」

「そのような言語処理系が登場し、生のJavaScriptを書くことは無くなる……という予測を立てていたのだが……」

「だが?」

「どうやら、TypeScriptは狙い目が予測に非常に近いみたいだ」

「使ってみたの?」

「残念ながらダウンロードした環境は上手く動作しなかった。Visual Studio 2012と上手く統合できていないし、コンパイラはサイズ0のファイルを生成するだけで機能してくれなかった。でもWeb上のサンプル実行では結果が出ているので、おそらく機能することは機能するのだろう」

「それで君としてはどうしたい?」

「しばらく注目だな」

「今すぐ実用では無いわけだね」

動かない理由 §

「動かない理由って何だろう?」

「環境が日本語版だから……というあたりの可能性が高そうだ」

「えー」

「勤勉な誰かが解決してくれると信じて待つか」

「なぜ平然と待てるのだよ」

「オープンソースでソースが見えるからな。勤勉な誰かが見るだろう」

「君は見ないの?」

「残念ながら用事が山積していて暇が無い」