2012年10月07日
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ヤマト2199第三章プレミア上映会感想【ネタバレ注意】

Written By: トーノZERO連絡先

「明朝まで待てないので、前倒して公開する」

「待ってました」

「第三章を見ようと思っている人は読むなよ。【ネタバレ注意】だ」

前置き §

「ヤマトクルーのプレミア上映会に行ってきたぞ」

「それで? 君の懸念事項はどうだった?」

「一部は当たりだった。これを外したらヤマトじゃないだろう、と個人的に思う要素がいくつも落ちていた」

「じゃあ、期待外れ?」

「とんでもない。それにも関わらず以下の点で凄く良かった」

  • これをやられたら個人的に凄く喜ぶ要素が多かった ヤマトかヤマトじゃないかよりも、もっと上の問題
  • 特に第9話の凄みは絶品だ。何しろ、過去のヤマトには無い話でありながら、ヤマトにあっても不思議では無い話だ。ヤマト1974が39話ないし52話あったら、本当にこういう話が挟まっていたかもしれない
  • 本当のヒロインが分かった
  • 全ての女性キャラの位置づけがソリッドに分かった。単なる人気取りでは無く必然性があって配置されていることが分かった。個々のキャラでやりたいことが分かった
  • 岬の艦内DJがラジオとぜんぜん違った

「説明してくれ」

「個々の要素はそれぞれのエピソードの感想で説明する。ただし、最後の1つは先に説明しておくか」

「どういうこと?」

「最初、艦内DJがラジオドラマと同じだったら映写室に入ってフィルムを燃やして自分も死んで人生を終わろうかと思った。きっと絶望する」

「ほんとかよ」

「嘘だ」

「……」

「ともかくヤマト2199の最大の弱点はラジオドラマ。あのノリがそのままフィルムに定着されていたら本気で蹴る気でいた」

「それで?」

「実際は全くノリが別物だった。イヤな感じは一切無かった」

「そうか」

「むしろあれはいいものだと言っても良い。驚くべき衝撃だな」

「じゃあ、各話の話を頼む」

第7話 §

「文句は多い」

「えー」

「でもさ。真っ赤なスカーフが2番なんだよ! これだけで全ての問題は些細だ。バッチグー。これでいい」

「なんじゃそりゃ」

第8話 §

「文句は多い。特に、古代が命令を待たずにミサイルを発射しないのは『そんなのヤマトじゃない』と言いたいぐらいの問題」

「えー」

「でもさ。艦橋に走って行く佐渡先生と看護士の真横のカット。看護士が原田だから、ちゃんと女なのだよ! ヤマト1974では女から男に変更されたのに、女性体型が直っていない作画だった。だから本当の女になって、これでいい! 屈折の溜飲が下がった! 他の問題はみんな些細。バッチグー。これでいい」

「なんじゃそりゃ」

第9話 §

「文句はない」

「えー」

「真田が凄くいい。アナライザーもエピソード主人公。ヤマトとして十分に承認できる内容。バッチグー。これでいい」

「なんじゃそりゃ」

第10話 §

「文句は多い。本来ならここはターニングポイントとなる重要な話であるはずだ。ドメルもスターシャも出てこないのでは、エピソードの位置づけそのものが変わってしまう」

「えー」

「でもさ。ラムちゃんなんだよ! ストーリー的な位置づけはかなり変わっているけれど、本来なら敵陣営になるのにヤマトの味方になってガミラス的な敵に撃たれて死ぬんだよ。これをラムちゃんと言わずして何というか。ラムちゃんが出た以上、他の問題はみんな些細だっちゃ。バッチグーだっちゃ。これでいいっちゃ」

「なんじゃそりゃ」

あらためて §

「良く分からないからもう一度頼む」

「他の感想を語り直すか」

第7話again §

「加藤の通信がとてつもなく短いのにとてつもなく良いのだ」

「へー」

「沖田と徳川が飲んでいるシーンもあれはあれで良いものだ」

「良いの?」

「SBヤマトだと、酒瓶を持って佐渡先生が古代の独房に来て徳川が一緒に飲むが、こっちは徳川が酒瓶を持って艦長室に行く」

第8again §

「古代の命令無視は無いが、それでも発射命令が遅れる展開があるのがいいね」

「そこかっ!」

「あと、追ってきたシュルツ艦に撃たれてもヤマトが撃ち返さないのもいい。第三章に関しては武器で問題を解決したがるヤマトは影を潜めている。むしろ第三章は撃たないヤマトが描かれる良いものだ」

第9話again §

「全ての点で破格。敵だから撃つという保安部の発想を正面から否定するのが真田。機械と人間は違わないかもしれない、というアナライザーの味方になるような暖かみを、あの真田が見せるところが良い」

「それだけ?」

「サブストーリーを語る岬の語り口もいい。話もいい。オチもいい。未来の昔話というのもいい。ただしこの話はスカイ・クロラではなくイノセンスにつながりかねない」

「人形と人は違うのか違わないのかということだね」

第10話again §

「あのドメル艦隊に追われていても逃げ切ってしまう矛盾が解消されている」

「なぜ逃げ切れるの?」

「ドメル艦隊ではなく、2199ではゲール艦隊だから」

「ぎゃふん」

「あとね、牽引ビーム(トラクタービーム)なんだよ!」

「え?」

「日本のアニメではなぜかあまり見られないトラクタービームが全面的に活用されていたのだよ!」

「ひ~」

「そういえば、レンズマンのアニメってトラクタービームをちゃんと使っていたっけ? よく覚えていないや」

「かなり日本ではレアだってことだね」

「ちなみにヤマトの着艦口にもトラクタービームが設定上存在する」

「そうか」

「ともかく、敵を信用するという燃える展開だ。そこでは敵と味方の軸がねじれる。1級ガミラス人だから信じられるという話でも無いし2級だから信じられるという話でもない。とても微妙で割り切れないのが凄くいい」

女性キャラの問題 §

「女性キャラの問題が全て解決した」

「どういう意味?」

「誰がヒロインか良く分からない理由は、メルダ・ディッツこそが真のヒロインだったからだ」

「えー」

「真のヒロインにはライバルが必要だ。そこで、地球人の女性エースとして草薙水素的なキャラが必要となり、山本(女)が産まれる必要があった。ちなみに、今回の抗議する山本の怖さはまさに草薙水素。草薙水素も抗議キャラだからな」

「ひ~」

「だから山本(女)は、女であって凄腕パイロットである必要があった」

「岬百合亜は?」

「艦内DJはナレーター的な役割を担うのだ。2199はナレーターがいない。しかし、ナレーター的な役割を担う者が誰か必要だ」

「原田は?」

「佐渡先生の後を宇宙服を持って走るため」

「新見は?」

「本来の反乱キャラは真田だが、最終的に真田は反乱しないで古代の理解者になり、今さら反乱キャラにできない。そこで、真田の部下の新見こそが反乱キャラの属性を持つのだろう。本当に反乱するのかは知らないけどね」

「ヒルデは?」

「デスラーの演説に踊らされる愚民の1人であり、重要なポジションは担わない。シュルツの付属品だな」

「ひ~。じゃあ、メルダは?」

「おそらくガミラス大好きな出渕総監督の秘蔵っ子。しかも、1級ガミラス人に殺されそうになるが、2級ガミラス人は律儀にヤマトとの約束を守ろうとして彼女を殺さないようにしようとする。この屈折した状況下で帰るべき母艦を無くして立場が宙に浮いてしまう。もはや1級ガミラス人だから信じることもできない。非常に屈折した立場に置かれた異星人の美少女だ」

「そんなに良いの?」

「本当の本命のヒロインはこっちだろう、と思うほどにな」

「そんなものか?」

「そして、山本の髪が白い理由も分かった」

「なんで?」

「メルダとのキャットファイトで、メルダの色とのバランスが最高にいいことが分かった。この2人が並ぶと良い絵になる」

「えー」

「更に言えば、メルダを引き立てるにはそれに負けないキャラが必要であり、第一章からずっと山本の話が続いていたのはそのためだろう」

まとめ §

「まとめてよ」

「そうだな。期待値を100点とするなら300点をあげてもいいな」

「それは破格の高評価だよ」

「自分でも驚いた」

「ひ~」

「これなら前向きにもう1回見てもいいな」

オマケ §

「あ、DWG262〈ツヴァルケ〉って262なんだ。そしてDDG110ゼードラーⅡって、110なんだ」

「は?」

「だからMe262シュヴァルベとBf110なんだよ!」

「それにどんな意味があるの?」

「DDG110ゼードラーⅡはカモだった。でも、DWG262ツヴァルケは強敵」

宇宙戦艦ヤマト

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