「1/1000ヤマト2号艦建造計画がいきなりピンチだ」
「何事が起きたんだ?」
「当初の計画では上半分は無改造。下半分だけ改造予定であった」
「上半分は手慣れた2隻目だからパチパチ組めるわけだね」
「ところが、大きな問題が浮上した」
「なに?」
「このバージョンのパッケージには艦橋の窓の透明パーツが2つ付属する」
「透明と半透明緑だね」
「問題は、そこだ」
「どちらを使うべきかということ?」
「そこから別の疑問が出てきた」
「何?」
「透明レジンのフィギュアを大量に作って分かったことがある」
「なに?」
「透明パーツは背後の色に影響されやすい。それから影にも影響されやすい」
「透明であることは万能では無いわけだね」
「だから。ヤマトの第1艦橋第2艦橋は奥まった位置に窓があって、更に三方を壁に囲まれて影になるのだ。そこで、透明パーツは凄く暗くなって目立たない」
「透明パーツの意味が無いわけだね」
「しかも緑パーツはもっと暗くなる」
「分かった。窓という色気が出にくいわけだね」
「電飾を仕込めばある程度は解決できる。光がそこから漏れていれば、嫌でも目立つ」
「仕込めばいいじゃん」
「そこだっ!」
「えっ?」
「この2号艦の第2テーマは、光を使わない光の表現だ」
「えー」
「氷川さんのどこかの記事でも書いてあった。『あのビームは透過光じゃない!』」
「光らせていないのに光ってみえるわけだね」
「だからさ。今回光らせたい場所全てを光らせることは無理なので、電飾は仕込まないことに決めた」
「なるほど」
「だから艦橋にも仕込まない。だから、必然的に困った事態になる」
「それでどうするの?」
「方針が決まらないので、悩んでいる」
突っ込まれると痛い場所 §
「自分が作る模型には穴が一杯ある」
「完璧さは目指さないわけ?」
「そうだ。完璧を目指すと無限に完成しないからな」
「そんなに?」
「腕部だけ作って挫折したHGUCのGP01を見よ」
「ぎゃふん」
「従って、不備つまり穴にはなぜ穴のままで良いのかという理由付けが存在する」
「楽しい範囲で妥協して完成させるわけだね」
「でもね。それでも穴が2つ残っているの」
「なに?」
「筆とピンセット」
「なぜ?」
「前からそこが問題であり、改善可能だと分かっていたから」
「どういうこと?」
- 高価な筆、高価なピンセットは買いたいと思いつつ買っていない負い目がある (予算も無かったのだが)
- 筆に関しては(安物とは言え)ある程度のバリエーションを買ってあるが、それを使いこなせていない負い目もある
「まさに、ウィークポイントだね」
「ともかく、筆の問題は大きい。買えないという言い訳さえ通じない。持っている筆さえ使い分けられないのだから」
「なるほど」
「今日はそこをグサッとやられた」
「そんなに強烈?」
「だってさ。昨日買ったスケール・アヴィエーション11月号の30p。他の広告はほとんど見てないのに、モデルカステンの広告の筆のページだけずっと見ていたんだぜ」
「なぜ?」
「良い筆なら欲しいなあって」
「筆には苦労してきたようだね」
「そうそう。これはという筆に巡り会うだけでもドラマになる」
「弘法は筆を選ぶわけ?」
「実体験として筆の選び方1つで、筆塗り体験には雲泥の差が出る」
「そこまで言う?」
「うん言う。たとえば、いつも使っている平筆がある。でも、緑の宇宙戦艦ヤマトの艦底の緑は、西友ストアで買った水彩画用の筆を使っている。安物だけど、大面積をグッと塗る安定性は、いつもの平筆とまるで違う。あれだとこれだけ安定した色は出ない」
「だったらそれに乗り換えればいいじゃん」
「いや、あれはあれで細かい塗り分けは無理なので」
「ぎゃふん」
「後ハメ加工して、艦底だけ独立させてまとめて塗ったから使えた筆だ」
「ひ~」
「モデルカステンの筆もできれば現物を見て買いたいところだけどなあ。近所に置いてある店あるかなあ。それとも、またこっちが良いとか突っ込みが入っててんやわんわいになるのかな」
「とりあえず、模型店に行って様子を見てみたら?」
「新宿のイエローサブマリンはもう無いのが痛い。そのうちに、荻窪のキヤとか下北沢のサニーとかに偵察に行ってみようか」
オマケ §
「店舗といえば。小林さんが紹介していたアメリカ・オールドビレッジ社のバタ-ミルクペイントも興味があるのだが、試しに一瓶ぐらいで通販するのも気が引ける。近所(自転車で行けるぐらいの距離)に店頭に並べている店は無いかなあ」
「バターとかミルクとか、本当に模型に塗れる塗料?」
「そこも確かめてみたいよな」
「ネットで検索するだけでは、海峡の出口を見ないで戻って来た古代みたいなもの、というわけだね」
オマケ2 §
「もう1つ。電撃ホビー付録のガンダムAGE-2アルティメス改造キットの存在が浮いている。改造パーツとして使えれば使いたいが、今のところヤマトでの使い所が見えてこない……」
「ひ~」
オマケIII §
「スケールアヴィエーション。昨日は見落としていたけど、IA58プカラってツボに入った。こういう飛行機好き」
「活躍してないじゃん」
「形も好きだけど、活躍できなかった経歴も好み」
「おいおい」
追記 §
「ちなみに緑の宇宙戦艦ヤマトでは艦橋の暗さは問題ではなかった」
「なぜ?」
「船体が明るいグレーなので、暗い艦橋の窓とよくコントラストが出たからだ」