1つめのシーン §
ドアの音・KAORUカップ・キーを打っている新見
伊東が入ってきた=イニシアティブを伊東が握っている
カップは新見用という提示 (あとでひっくり返す)
新見は仕事中で忙しい
伊東「一人とはお珍しい。副長もご一緒かと」
ヤマト秩序としては新見は真田の付属品である。現状はそれとは違うことを表明。1人で居る新見は不自然である。
無表情の新見
不自然な行動を言い当てられて緊張している
新見「暇そうね」
伊東は警備部の予備的な警備活動の一環として来ているはずであり、伊東が暇であるわけが無い。しかし、新見は自分があくまで標的では無いふりをしている。標的では無い自分に会いに来る人間は暇人である。
伊東「艦内で騒動でも起きない限り保安部なんて暇な仕事ですよ」
仕事で来ているにも関わらず。暇人という指摘をわざと肯定する。過剰に相手を警戒させない深慮遠謀。
顔を寄せる
伊東「そちらはいかがです?」
相手のリアクションを引き出したい行動。
忙しそうな新見に対して、何をしているか質問しているが、実は答えられないことも分かった上で質問している
新見「新しい恒星系にでも行かない限り暇な仕事です」
忙しそうなのに暇だと答えている。忙しいと言ってしまうと伊東に突っ込む余地を与えてしまう
(しかしキーを打っている。暇に見えない)
新見は忙しい
伊東「ん?」
(画面を見て何かに気づく)
伊東は恒星系について調べていることに気づく。
伊東「そういえば乗員のカウンセリングも始めたそうじゃないですか」
伊東の本題。カウンセリングは名目で、おそらく本当の意図は仲間の一本釣り。伊東はカウンセリングの件はあらかじめ知った上で来ている。
肩に手を掛ける
伊東「僕も見て貰おうかな」
カウンセリングなら伊東が受けるのは有り得る選択肢だが、新見が警備部に注目される存在ならあり得ない。つまり、伊東の言葉はあり得ない提案をしている
肩に手を掛けるのは、それが特別な意味を持った言葉であるという意図を示す。
新見「冗談はよして」
伊東の提案があり得ないと言っている。それを冗談と表現している
KAORUカップで何か飲む
伊東がキーに触る隙が産まれる。
伊東勝手にキーに触る
新見が何をしていたのか分かったというサイン。
伊東「ヘリオポーズを超えると地球との交信ができなくなるんでしょ?」
次の台詞への伏線
生命居住可能領域(HABITABLE ZONE)の表示
新見が調べていたのはこれ。可住惑星。
伊東「艦長も最後の交信ぐらいみんなにさせてやれば良いのに」
黒幕と交信するなら最後のチャンスだと誘っている。誰かが艦長に進言できると言っている
新見伊東の方を初めて見る
交信に興味がある新見
伊東「あ、そんなことをしたら要らぬ里心がついてしまいますね」
伊東は交信が悪いアイデアだと否定した。だから、新見が通信したければ自分で艦長に進言するしかない
ニヤリと見下ろす伊東
あなたの包囲網は完成しましたよ、という意味
伊東「お仕事頑張ってください」
肩を叩く伊東
次はあなたが行動する番だという意味。伊東は罠を張って待っているはずである。
カップの裏にPROJECT IZUMO STAFF ONLYの文字
カップは単に自分の名前が入っているだけのものではなく、その裏側にはイズモ計画のスタッフオンリーの文字。つまり、新見はイズモ計画のスタッフ。これが伊東に目を付けられた理由。
2つめのシーン §
新見「わたし?」
伊東「あれ、ちがうんですか? 艦長に進言されたんでしょ?」
新見「(ゆとりを持って笑って)保安部は詮索好きね」
新見はあまり追い詰められていないので、艦長に通信を進言したのは新見以外の人物と思うべき。おそらく伊東でも無い。実はそれが誰かは相原が言おうとしてそこでカットが終わっている。ぼかされていて分からない
伊東「あなたも地球に通信されておいた方がよいんじゃないですか?」
計画が狂ったが、やはり通信させて尻尾を掴みたい
新見「分かってます」
あなたの計画に乗ってあげる。でも、最後の最後、みんながラジオに夢中になっている時間にこっそり通信してあげるわ。あなたはそこまでチェック出来るかしら?
伊東顔を寄せる。
伊東「それはそうと、彼あなたを見てますよ」
伊東作戦を変える。新見に惚れている薮の存在を指摘して、新見の心を揺さぶる作戦
薮慌てる
伊東の作戦のダシに使われて純情な薮は慌てる。
その他 §
第8話でワープアウトするヤマトの背後に地球型惑星。
新見は、第8話でグリーゼ581の調査を進言。地球型惑星がある以上、進言に根拠はあるものと思われる。
「イズモ計画は破棄されたのだ」と沖田に否定される。
実はここでの沖田の否定も極端すぎる。メ2号作戦の寄り道は良くて、この調査の寄り道がいけない理由がはっきりしない。
第9話で沖田の命令ですぐに出動する保安部。艦長と保安部はつながっていると思われる。つまり、沖田の新見否定と伊東の新見内偵は連動していると思うべき。
第10話で保安部はガミラス兵を迎えるために出てくるが伊東は出てこない。伊東の敵はガミラスではないと思うべき。
感想 §
「気になったので書き出しちゃったよ」
「そうか。かなり多いな」
「それでさ。分からないのは真田の帰属。どっちの派閥だろう」
「えっ?」
「実は、沖田、徳川、真田の3人だけの秘密が存在するっぽいニュアンスがある。しかし、新見は真田と一緒にいることも多い。ならば真田の帰属はどっちだ?」
「さあ? それから、最後の通信を沖田に進言したのは誰だと思う?」
「分からない。それを示唆する要素は見出せなかった」
「君の個人的な想定としては?」
「科学者にいちばん大切なもの、つまり勘で良ければ真田」
オマケ §
「面白くなってきやがったぜ」
「どっちにつく?」
「女(新見)」
「だろうな」
オマケ2 §
「でも本当は伊東の方が面白くてたまらん」
「えー」
オマケIII §
「伊東のどこがいいの?」
- 人を食った態度
- なかなか見せない本音
- 意外と職務に忠実
- 真田に言い負かされるぐらいで、本当はあまり賢くないが突っ張っている
オマケ酒 §
「第7話。沖田は真田のところと機関室に行った。そして、徳川と酒を飲んだ。ここで古代と飲まないと云々という人もいるのだが、どうもその解釈は違うような気がしてきた」
「何が違うの?」
「沖田の艦内放浪は、仲間と話したい放浪。つまり、真田も仲間。徳川も仲間。本当は徳川と話すために機関室に行ったが、山崎しかいなかったので沖田はがっかり」
「真田も忙しくてガッカリというわけだね」
「そこで、後から徳川が酒を持って沖田のところに行くのは、古代の代役として行ったわけではなく、別の演出的な意図があると思うべき」
「その意図って何?」
「たぶん、第三章の段階ではまだ分からない」
「古代は沖田人脈ではない、ということかな?」
「かもしれないが、あとで沖田人脈に取り込まれて仲間になって艦長代理になるのかもしれない。しかし、そうであっても第7話の時点では沖田人脈では無いので、まだ酒を飲むのは早い」
オマケ防壁 §
「古代と山本が修理していたのは波動防壁だったみたいだ」
「ほんとに?」
「前から2列目の席に陣取って見ていたら、ちらっとそれっぽい文字が見えた」
オマケ2199 §
「だからさ。SBヤマトはヤマトと違う話をやってるはずなのにヤマトネタに執拗に回帰する映画。それに対して、ヤマト2199はヤマトをやっているように見せながら実は別のストーリーが進行している感じ。では、ヤマト2199に存在するヤマトでは無い別のストーリーとは何かというと、原形としてのヤマト、ヤマトゼロではないかと思う」
「ヤマトゼロだとするとどうなるの?」
「うん。実は大多数のヤマト1974の登場人物が邪魔になる」
「えー」
「従って、新キャラの露出が増える。山本が主人公とか、篠原の方が加藤より目立つとか、揶揄されるぐらい、新キャラが目立つ。古代のみならず島の存在感も埋没する。しかし、ヤマトゼロで立場を与えられる沖田や真田や徳川の出番は減らない」
「行き着く先はいったい何だよ」
「ゼロの先には何も無いよ。マイナス思考の連中にマイナス世界があるだけだ」