すべり台は戦場だった。
しかし、レフレックスはライバルのスーパーに勝てなかった。
「なぜ勝てない」
公園の主、並さんは言った。「そりゃウェイト差だ。あっちは石6個分。あんたは2個分」
レフレックスは一生懸命食事を増やしてウェイトを増やした。しかし、スーパーには勝てなかった。
ある日、公園にゲルマという少女が来た。ゲルマは一瞬でスーパーに勝った。
「なぜだ。なぜ。石が1つも無いような女で勝てるのだ」
「さあ。女だから?」ゲルマは首をかしげた。
レフレックスは性転換した。しかし、やはり勝てなかった。
並さんは言った。
「すべり台はウェイトじゃねえんだ。お肌のスベスベ感なんだよ」
「前と言っていることが違うじゃないか!」
(遠野秋彦・作 ©2012 TOHNO, Akihiko)