「突然、三段空母が理解できた」
「えっ?」
「以下がポイントだった」
「そう。ガミラス側の射撃ドクトリンは、おそらく以下の通りだ」
「つまりどういうこと?」
「三段空母は以下の思想で作られている」
- 敵より先に大戦力を発進させられる
- 全機発進が基本。第2次攻撃隊は残さない
- できるだけ短時間で発進させる
「それがなぜ三段になるの?」
「つまり、短時間で発進を完了させるには飛行甲板が多い方が良いってことだ」
「なるほど」
「しかしながら、三段空母にも弱点がある」
「それは何?」
「搭載機の整備再発進能力が無い、または低い」
「だからドメルの最初の攻撃の後、再攻撃ができないわけだね」
「そうだ。それでも攻撃を継続するには母艦そのものを敵に接近させて砲撃する必要がある。それは母艦を敵に晒す危険な選択だが、そうせざるを得ない構造的な欠陥を三段空母は持っていたと考えられる」
「なるほど」
「そして、この欠陥を除去したのが二連三段空母だ」
「どこが改良点?」
「機械化された再装填機能を持ち、着艦の完了を待たずに発艦ができる」
「そうか。最後の編隊がまだ着艦中でも最初の編隊はすぐ発艦できるわけだね。でも三段空母なら発進甲板と着艦甲板を分けるだけでいいんじゃない?」
「それは無理なんだよ。実は発艦時にけっこう搭載機が上下にぶれている。発艦と着艦を同時に行うと飛行甲板を上下に分けても正面衝突しかねない」
「だから横に二連にして発艦と着艦を分ける必要があるわけだね」