「凄く馴染む!」
「は?」
「一度聞き込むと凄く耳に馴染む! やはり彬良さんは世界1ヤマト音楽を分かってる人だと思うよ」
「そこまで言う?」
「ヤマト音楽を手がけた人はみんな個性も言い分も方法論もあって、各人各様。ただし、オリジナルのテイストを変えないで変化させることができるスキルという意味では、彬良さん最強だろうと思う」
馴染む理由 §
「しかし、最初は引っかかっていたわけだろう?」
「うむ」
「なぜ馴染んだの?」
「引っかかりは、前後のつながりを考えたり、歌詞を聴いたり、全体的な構成を見たり、狙い目を考えたとき、1つ1つなるほどと思えることが分かった」
「それは作りが上手いっていうこと?」
「破格に上手いと思うよ。何しろ、原曲通りで良いときは、そのイメージを一切壊さない。でも、ずらすときは大胆にずらす」
「ベタ誉めだね」
ラジオの問題 §
「YRAのテーマは良い曲なのだが、ラジオではあまり生きていないような気がする」
「えー」
「曲が書かれた狙い目と実際の使われ方が微妙に違っているような気がしてならない」
「どんな感じ?」
「音楽はポップに跳ねる感じだけど、実際のラジオはべちゃっとなっている感じ。本来なら、最年少の少女役の女性と、子供的な側面を持つアナライザーのペアなのだから、もっと元気に跳ねるイメージになると思って書かれた曲ではないかなあ。でも、実際のラジオはそれほど跳ねてない。そのBGMは逆に音が変に浮いてしまう」
「ひ~」
「あくまで、個人的な印象だから事実かどうか分からないぞ。他の人は別の感じ方かもしれないし」
「音楽としては君は好き?」
「大好きだ」