「これは燃える!」
「なぜ?」
「信じられないぐらい凄い絵が山ほどあることに麻痺していた。絵があるなら音楽関係の資料も多いはずだ」
「えー。それで?」
「さっそく重大な事実が1つ明らかになった」
「なに?」
「この【交響組曲 宇宙戦艦ヤマト-仮トラックダウン版-】のリスト。署名は西崎さんと思われる」
「そうか」
「ところが、交響組曲のライナーを見ると最終曲は宮川さんが『さよならヤマト』と名づけたことになっている。これが最終曲『スターシャ』だ」
「えっ?」
「つまりさ。『こういう曲を作って収録したい』という意向を持ったのは宮川さん側。それをリストにしたのが西崎さんかもしれない」
「それってどういうこと?」
「B面の最初に、バーンと大胆な真っ赤なスカーフをぶつけてくる構成を考えたのは西崎さんかもしれない」
オマケ §
「交響組曲のライナーをチェックして気づいた」
「なんだよ」
「交響組曲の真っ赤なスカーフには没バージョンが存在する」
「えー」
「どんな曲か興味があるよね」
「うん」
「録音まで行っていないとすれば、スコアだけの存在だったかもしれない。デモテープまでは作成された可能性もあるけど」
「そこまで行くと良く分からないね」
「ヤマト会議さま、宮川彬良さま、ぜひとも謎を解いてくだされ」
「他人頼みかよ」
「マスプロダクションされた最終製品しかこっちは持っていないのだ」
「それはしょうがないね」
「いやまて。この【交響組曲 宇宙戦艦ヤマト-仮トラックダウン版-】を見ると真っ赤なスカーフは(仮トラックダウン)と書いてある。トラックダウンとは複数のトラックをミックスする作業。ということは、没バージョンの他に、仮トラックダウンバージョンの真っ赤なスカーフも存在するのではないか。現存するかどうかは知らないが」
「えー」
「ヤマト1974はまだ終わらない」