「ゲリロンじゃなくてゲール論だ」
「ゲールがどうした?」
「実は思ったよりも常識人かもしれない」
「どいうと?」
「バラン星の時点でのゲールの行動をもう1回チェックしたが、ドメルの作戦を無謀すぎると判断してデスラーへご注進とあいなった。このとき、実は合理的な判断を下したのはドメルよりもゲール」
「そうか」
「デスラーに言われてショックのドメルを見てゲールはいい気味だと思ったようだ」
「それで?」
「でもさ。バラン基地が壊滅したとき、ゲールもショックを受けている。それはゲールとしても想定外だったようだ」
「ゲールの想定って?」
「ドメルの計画の阻止」
「バラン基地を守るためだね」
「でもバランの基地は失われた」
「それが想定外ってことだね」
「自分の振るまいがそこまでの損害をもたらしたことで、ゲールはドメルとデスラーとガミラスに負い目を負った」
「それにどんな意味があるの?」
「それ以後、ドメルの忠実な副官として振る舞う」
「それ以後というと、21話だね」
「21話になると、ドメルはデスラー総統への忠誠心が優れているとゲールを誉め、ゲールも知将とドメルを誉める。互いに誉めたことで、2人のわだかまりが消えて決戦にまっしぐらだ」
「なぜバランの時は否定したのに、ドメルの自爆をゲールは否定しないの?」
「ゲール自身も死んでわびねばならないほどの負い目をデスラーとガミラスに追っているからさ」
「まさか」
「だから、そういう意味で罪の意識をドメルとゲールは両方とも持っている」
ヤマト2199ゲール論 §
「そういう意味では、2199のゲールはひお・あきら版のゲール(ゲル)に近い」
「ドメルの前座、やられ役ということだね」