2012年12月11日
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正義の味方の2枚舌問題・なぜ彼らは100%の信用を得られないのか

Written By: 川俣 晶連絡先

「年末スペシャルで既に語ったことを蒸し返そう」

「無駄なことを」

「そうでもない」

「なぜ?」

「熱さが過ぎるとみんな忘れちゃうから」

「ほんとに?」

「アッという間に争点で無くなった原発問題を見よ。311直後は反原発が正義だったが、今や浮き世離れした人しか反原発は叫んでいないぞ」

「ひ~」

「というわけで、語ってみよう」

「何を語るんだよ」

「正義の味方の問題」

「なに?」

「彼らは、贔屓のブランドの取扱店が少ないと、それは公正ではないと怒る」

「うん。購入の機会は均等では無いわけだね」

「でもね。贔屓のブランドの取扱店が多いとき、取扱店の少ないブランドが他にあっても一切文句を言わなくなる。こちらが見た範囲では、そういうケースが非常に多い」

「えー」

「じゃあ、最初の意見は何だったのかといえば『公正ではない』という苦情ではなく、『公正ではない』という異議申し立ては相手を弱体化させる攻撃の一種でしか無い」

「つまり、本当に公正になることを望んでいるのではなく、『公正』の申し立てが強者の力を削ぐ方策ってことだね」

「そう。自分の贔屓のブランドが強者になったら、あとはもう知ったことでは無い。敵を攻撃する手段である『公正』を身内には向けない」

「ひ~、なんていう矛盾だよ」

「だからさ。こういうのを2枚舌というのだよ。自分の都合で言うことがコロコロ変わる。そして、2枚舌は一時的なブームは起こせても社会的な信用は得られない」

「ひでえ話だな」

「1990年代ぐらいから、世の中は酷い話で一杯さ」

「で、具体的に2枚舌って何のこと?」

「具体名を書くのは下品な振る舞いだろう」

「そんな悠長なことを言っているゆとりはあるの?」

「無い。でも、自分の頭で考える力があれば分かる話だよ」

「他人の掲げる正義に寄りかかって、考えるのをやめたらおしまいってことだね」

「でも、世の中は他人の掲げる正義に寄りかかった人ばかりだ」

「じゃあ、正義ってなんだよ」

「現実的には、迷惑行為の別名だろうな」