「世の中にはトラニーという言葉が存在する」
「意味は何?」
「性転換をして女性になった人という意味だ」
「えー」
「しかし、問題はその先」
「なんだよ」
「トラニーと永遠に(とわに)、あまりに言葉が似すぎている。あまりに語感が似すぎてぶっとんだ」
「えー。そんなことを気にしているのかよ」
「うむ。それには正当な理由がある」
「何の理由だよ」
「黒色の人たちは人類の肉体目当てに地球に来たんだ。脳だけ空にして、体を乗っ取ろうとしていた」
「うん」
「で、アルフォンが助けたのは森雪」
「待て。まさか……」
「人類でもっとも美しい森雪の体はオレのもんじゃ、とアルフォンが囲い込んだら、森雪の体にアルフォンの脳という未来があったかもしれない」
「それはアルフォンが性転換をして女性になった人つまりトラニーになるわけだね?」
「そうだ。まさに永遠にらしい結末だ」
「ひ~」
「だがそれでも問題が残る」
「なんだよ」
「アルフォンが女性になっても、ヤマトに関係ない。ヤマトよトラニにならない」
「おいおい」