「ここまでヴェスパ組んじゃった」
「えー」
「しかも、キャラも一部ランナー上で組んでいて、位置関係を把握しながらカウルを切る場所を選定してカットしてしまった」
「カウルを切るって?」
「足が見えるように」
「あんたさあ。真面目にファムのヴェスパを作る気ないだろう」
「ファムのフィギュアが付いてるんだよ。それを乗せる前提で作ってる」
「意味分からないよ」
「ファムのフィギュアってさ。股が剥き出しなんだよ」
「それで?」
「せっかくのセクシーポイント」
「だから?」
「そこが外装パーツで見えなくなると色気がないじゃん」
「分かった。ファムの設定に忠実に作る気は無いけど、ファムのパーツを活かすようには作りたいわけだ」
「生まれて初めて。1/72の美少女フィギュア塗るのは。肌色はどんな肌色にしようか迷うよ。うふふ」
「そこかよ」
「セクシーポイントの太ももの色だからね」
「ところで、仕事放り出して遊んでいていいのか。っていうか、ヤマトはどうした。加賀百万石はどうした」
「しまった」
タミヤ88ミリ §
「うろ覚えなのだけど、タミヤの伝説的な88ミリ砲。最初にバイクを作ってから88ミリ砲本体に行く工作手順だったとか」
「それで?」
「ヴァンシップは横に置いて、最初にバイクみたいなヴェスパ作ると、そういう故事を思い出すね」
「何を連想しているんだか」
「大物に取り組む前に、小物で暖めておくと良い感じかも知れない」
「ヴァンシップにはいつ取り組むのさ」
「それはフィギュアの調達次第」
「いつになるか分からない遠大な計画だな」