「結局見てきたぞ」
「なぜ?」
「2010年1月の映画以来、戦隊映画皆勤賞だからだろう」
「それだけかい」
「というわけで、TOHOシネマズ渋谷に行ってきた」
「なぜ府中じゃないの?」
「上映時間的に渋谷の方が都合良かったから」
「それだけかい」
感想 §
「どうだった?」
「まあ、この手の映画ってパターンがあって、本当にそれを踏襲するのだな……ということが良く分かった。2大ヒーロー対決、対立、実は敵対はフェイクでみんな本当はみんな仲間、別チームのメンバーが一緒になってバラバラに飛ばされる展開、共闘、新戦隊の顔見せ……」
「つまらなかったんだ」
「いやいや。そういうパターンというかお約束を、『止むを得ないこと』と受容して受け流すと、その先は面白い」
「なんで?」
「そこから先は毎年工夫しているからさ」
「たとえば?」
「今回飛ばされる場所は世界中の過去にあたり、一部は江戸時代に行ったりして、江戸時代のセットを背景に楽しめる」
「へー」
「で過去からのメッセージは未来に巻物を残すという方法で行われ、なんとゴーバスターズ基地にシンケンジャーの志葉薫が持ってくるという意外な方法につながる。というわけで、ゴーバスターズとゴーカイジャーとキョウリュウジャーしか出てこず、他の戦隊はゴーカイチェンジした姿でしか登場しないはずなのに、シンケンジャーの世界の一部がしっかりと出ていた。そこは面白いサプライズだね」
「変身はしないのに?」
「変身だけならいくらでもゴーカイジャーがレンジャーキーでやってくれる。それよりも、志葉家当主のお嬢様が出てくる方がインパクトあるさ」
構成の問題 §
「工夫と言えば」
「言えば?」
「戦隊のVSものは前から何回も指摘するとおり、登場人物が多すぎる弱点を宿命づけられている」
「1戦隊5人ですら多いのにそれが2倍になるのだね」
「実はゴーバスターズは特に多い」
「3人戦隊じゃないの?」
「バディロイドを計算に入れると2倍に膨れあがる」
「ひ~」
「今回の映画は、バディロイドが停止するという展開を入れて人数を制限した。これは上手く話を工夫している。バディロイドの復帰もドラマの軸になるからだ」
ただのミーハーの問題 §
「マベちゃん、バスコが出たよ。バスコって嫌いじゃないぜ」
「は?」
「伊狩鎧も、そんなにベタベタといやらしい感じの扱いじゃなかったので、良かったな」
「はは」
「でもさ。とりあえず、エンディングで一緒に踊ってるゴーカイジャーをプッシュしよう。特にお嬢様っぽいファッションでダイナミックに踊っているアイム」
「それが結論?」
「いや。それにも増してビックリものは、まさかの江戸時代で顔を出すジェラシット」
「そこか!」
ガラガラ §
「上映開始2日目の日曜日の上映1回目だったが、意外とガラガラだった。渋谷のここで、この入りはちょっと違和感あるな。あまり客が集まってないのかな。みんな、本命はスーパーヒーロー大戦2だと思っていて、こんな映画見なくていいと思っているのかな。でも、けっこう面白い良い映画だったので、そういう感触には違和感があるな」
「面白さと人気は必ずしも一致しないものだね」