「とりあえず目の前のパーツに下塗り」
「黒いヴァンシップにしたいわけでは無いのだね?」
「そう」
「でもなぜ黒?」
「このキット、成形色が赤とグレーで、コクピットもプラの2色混合なのだが、こちらが想定する塗り分け線とも違うので、とりあえず全部黒く塗って下地の調子を合わせてしまうつもり」
「それで、「明日から本気出す」号って?」
「その場の思いつき。いい名前だろ?」
「どこがいいんだよ」
「本気さが伝わってこないところ」
「ぎゃふん」
オマケ §
「ともかく明日の夜はヤマトークだ」
「行く気なんだね?」
「まあな。こんな体力勝負はやりたくないが、やむを得ない」
「やりたくないの?」
「いい大人のすることじゃない」
「じゃあなぜだよ」
「心が子供に戻ってしまったので」
「身体は大人、心は子供って最悪じゃないか」
オマケシップ §
「イマイチ、ヴァンシップにノリが悪くなっている」
「なぜ?」
「人気アイテムになっていて、起工した人が多いから……かな。しかも改造やスクラッチも周辺で多い」
「君も仲間入りを目指したいのかい?」
「いや。それも違う。マイペースで組んで『ああ、面白かった』で終わりたい。他人にスケジュールや内容を拘束されるのは望むことではない」
「人気アイテムならいいじゃないか」
「ヴァンシップにとってはいいことだろうが、こちらには変なムードになりつつある」
「なぜ?」
「大改造して凄い作例を目指している人と違って、こっちはかなりお手軽に造る気なので」
「君は大改造して本気出さないの?」
「それは明日以降にまた考えるよ。こっちはヴェスパ建造でエネルギーを使い切った」
「だから、『明日から本気出す』号……」