「ラーゼフォンの15話をついまた見て驚いた」
「なんで?」
「こいつ……。ヤマト2199の第9話とストーリーの骨格が同じだ」
「なんだって?」
- 硬い硬質な生き物が人間世界にいる
- 会いたい相手がいる (親、女神)
- 人間世界側の代表(シリーズ主人公にあらず)と交流する
- 警備部に撃たれる
- 友達に守られる
- 移動して外に出る
- 最後は自分から崩壊する
- (エピソードの演出を有能な異能者に任せている)
- (ラーゼフォンの一色真の声が伊東真也の声に聞こえたので慌てて調べたらどっちも関俊彦さんで同じだったよ! 参った! 降参です)
「ここで分かったことがある」
「なんだい?」
「ストーリーの骨格が同じであろうと、いくらでも別の物語は作りうる。そして、ヤマト2199の第9話は、ラーゼフォンなど全く思い起こさせないぐらい完璧にヤマトの話になっていた」
第9話でなければ §
「2199第9話で無ければ2199第14話だね。明らかに異質な話を平然と挟んでくる。これはおそらく出渕流」
「えー」
「ラーゼフォンの15話みたいなのを2199でもやるといいなと思ったけど、それが2199の0話や14話だったようだ」
「なるほど」
「ついでに分かったよ。ラーゼフォンはロボットアニメというより音楽アニメだ。音楽的に突出しているのが特徴だ。だからこそ、2199でも音楽の使い方が破格に上手い部分がけっこう見られる」
「それにどんな意味が?」
「逆転の発想だよ。ヤマトをリメイクするならヤマトに詳しいだけではダメだ。音楽に対してセンスのある人間をセンターに据えないと間違いなく崩壊する。つまり、それがラーゼフォンで音に対して実績を見せた出渕さんだったわけだ」
「そんなに?」
「第14話のヤマト渦中へのイントロ部分からユキを助けに走り出す古代。あの演出は音楽的も最高。何しろ、イントロの音が上がっていく感覚が完全に古代の心情にシンクロしている。あんな上手い音楽の使い方は滅多に聴けるものじゃない。2199には他に音楽的にポイント高い要素多し!」
「じゃあ出渕さんは何者なんだよ」
「とりあえず、奏者……と呼ぼう」
「何か違うぞ」