「第四章のパンフ表紙イラストとはなんだい?」
「ガミラスのバラン基地だ。ゲールやドメルの居る場所を外から見たものだ」
「それでどこが凄いの? 趣味の悪さはガミラス前線基地随一の変な岩の塊じゃないの?」
「そうじゃないのだ」
「どこが?」
「まず大きな窓を見よ。この窓のサイズから全体のサイズが直感的に分かる。全体が、人の大きさの分かるサイズにまとまっているのだ」
「そうか」
「この窓の形も良いが、それは横に置いて窓の上を見てくれ」
「岩の塊が乗っているね」
「しかし、よく見ると段差の付いたヒレが付いている」
「まるでどこかのガミラス機みたいじゃないか」
「この司令室はガミラス機から釣り下げる形で作られている」
「えっ?」
「下の方を見たまえ。青く光っている部分は砲身の無い三連装砲塔に見える。実は、司令室の下全体が、下向きになっか小型ガミラス艦っぽいのだ」
「えー」
「すると、砲塔が側面に付き、右に飛び出した突起がブリッジの痕跡のようにも見える」
「これは岩の塊じゃなくて、過酷な環境でボコボコにされながら耐えているかつての機体や艦船の慣れの果てなのだね」
「司令室の真下に突き刺さっているのも、どこかで見たことがあるような無いような形状だ」
「じゃあ、これはなんだい?」
「何を材料に作られているかいろいろ資料と付き合わせてみたが、1つも合致しなかった。どうも微妙に違う」
「じゃあ、設定としては意味がないじゃん」
「いやいや。既に引退した老朽兵器を持ってきて、それを芯にバラン星を浮遊している基地を設営したと思えばこれでいいんだよ。何となく、ガミラス兵器っぽい記号は満載なんだし」
「これでいいのか」
「そうそう。復活篇DC版にも、最後にロートル兵器大集合という展開があるわけだし、時代遅れでも使えるものは使うということで、良いと思うぞ」
「本当に?」
「さあ。デザインには別の意図があるかも知れないが、そこまでは分からない。なにせ他人だ」
「冷めてるね」
「自分の心すら分からないのに、他人の心まで分かるかっ!」
「自分の心も分からないの?」
「だから、過去への遡航を行っているところだ。ヤマト2199経由で第四惑星の悪夢まで戻ったところだ」