「スケールアヴィエーション2013年3月号に空中戦艦大和の出番はあるか?」
「こたえはノーだ」
「それじゃヤマト関連の話題じゃないじゃん」
「いやいや。紀元2220年に空中戦艦大和を復活させる話なんだよ」
「なんていう復活篇……」
「だから大和は登場しない。でも、物語の影の主役ではある」
やられた §
「しかし、完全にやられた」
「何だよ」
「『飛ばない理由』と言って、飛ばないメカの模型を作ることはイマイチ乗れない……と思っていたが、今回の飛ぶ理由は飛ばない理由なのだ。しかし、飛ばない理由は『飛びそうにないメカだから』ではない。これはやられた。他の解釈で迫ってくるとは」
「へー」
「しかし、本当にやられたのはレコードブレーカー」
「は?」
「記録を塗り替えるための車」
「それ、飛行機じゃないじゃん。空を飛ばないじゃん」
「ところが、それを飛ぶものとして解釈して作例が作成されている」
「えー」
「でもそれはこれまでの作品と同じ事。これまでだって、飛ばないはずものが飛ぶとして作られている」
「た、確かに。本来なら大和も飛ばんよね」
「だがしかし、本当にやられたのはこの先」
「何だよ」
「一時期小林さんがレコードブレーカーのリンクをTwitterで呟いていたことも、さりげなく自分にレコードブレーカーが載っているモデルカーレーサーズを渡してブログで話題にさせたのも、sa誌にレコードブレーカーが登場する伏線だったわけだ」
「つまり、君は何も知らずにホイホイと雑誌を受け取ってそれをブログで話題にしたわけだね?」
「おかげで、自分のブログの読者は、たとえ元々の知識が無くてもレコードブレーカーが何かを知った状態で、飛行機雑誌に載っている驚愕を味わえる」
「踊らされた感想は?」
「こういう踊りならいくらでも踊るぞ」
「小林さんが俺達には神さまみたいな人だから?」
「いや、面白いからだ」
「ぎゃふん」
他のページの感想 §
「まだ、それほどちゃんとは見ていないけどさ」
「見た範囲だと?」
「結構、感性がマッチして『あ、面白い』と思えるページと、そうでもないページがあって落差の大きさに驚く」
「細かすぎると君の趣味ではないってこと?」
「いや。細かさとは関係ない。感性の問題なのかな」
零戦22型キット §
「付録の零戦22型のキットはどうだい?」
「結論から言えば、かなり細かい。オレはこのキットに呼ばれていない、と感じた。模型なんて家に帰ってから寝るまでの間にがーっと作って自己満足でオシマイが理想と思うが、とてもそんな時間では組めないだろう」
「おいっ」
「そもそも零戦22型を讃える仲間には入りたくないし、零戦を讃える仲間にも入りたくない。ミートボールのデカールも今さら貼りたくはない」
「日の丸って言えよ」
「ちなみに、日の丸ってさ。子供の頃は描きやすくて非常に優秀と思ったけど、今になって見比べるとデザイン的に単調すぎるよな」
「ひ~ 右翼を敵に回す気か!」
「日の丸が国旗で当たり前と思考停止した時点で、国旗のデザイン論なんてできないよ」
「じゃあ君は日の丸が国旗で当たり前とは思ってないわけ?」
「思ってない」
「君には愛国心というものがないのか?」
「戦争をやりたくでうずうずしている連中の語る愛国心とは、実際には国を愛する心ではなく、自分達を愛する心だよ。そんなものにどうして同意してやる必要なんてあるか。これでも郷土愛ならあるんだぜ。オレの郷土を戦場にして汚そうとする連中の語る『愛国心』とやらに、どうして同意してやる必要がある」
「ひ~」
「取りあえず与太話はともかく話を戻すと、過去に多くの凄いモデラーが零戦を作り、そのうちにそれなりの割合が22型で、今回のキットでかなり全国にまたばらまかれ、かなりの人数が大まじめに零戦22型を作るだろう。その状況下で、おいらが下手くそな零戦22型を過剰な労力を掛けて作る理由がどこにある?」
「そこまで言うか?」
「とりあえず、空中戦艦大和艦載機の金色のデカールが未使用のまま残っているから、これを使って空中戦艦大和艦載機らしく、古州面零(コスモゼロ)として作ってみよう」
「そんな設定あるのか?」
「無い。今、脳内で作った」
「いいのかよ」
「知らん。ただ、これは模型ファーストだ。まず目の前の立体物ありきの発想だ。それに合わせて設定なんていくらでも語る。今回は素材として零戦22型のキットと空中戦艦大和艦載機のデカールという素材があったから考えた」
「君が言いたいことは分かった。設定なんて凝るだけ無駄ってことだね」
九試単戦キット §
「今度は九試単戦のキットが7月のモデグラに付くようだ。これはちょっとグラッときた」
「なぜ?」
「1/72の旧日本軍機はインジェクションのキットとして出ているものなら、ほぼ全機種、死んだ父が作ったはずだ。子供の頃はずっと横で作るところを見ていた」
「零戦22型も?」
「おそらく作っているはず。零戦は何機もバリエーション作っていたので、21と52だけとは思えない」
「だから、自分が今さらと思うわけだね」
「でもさ。ほぼ確実に九試単戦は作っていない」
「は?」
「零戦の本を読んだときに、たった1枚あった九試単戦試作1号機の写真に心引かれた経緯もあるし、これだけは真面目に作るべきか……と思う気持ちもある。オヤジへの供養にもなりそうな気がする」
「零戦22型はあれだけ不真面目に作る気、満々なのに?」
「そうさ。九試単戦ならミートボールのデカールだって貼るさ」
「ミートボールって言うな」
「私の心は、はるかに君たち(F4Fパイロット)に近い」
「おいおい」
「それに、おそらく九試単戦なら、緑の機体に赤い丸を貼るというカラーリングの悪夢には陥らないで済むだろう」
「そこかい。そこがポイントかい」