「ある人から、UX-01にはシービュー号と似ている箇所があると聞いた」
「似てないじゃん。どこに窓があるんだよ」
「いやね。確かに窓は無い。でも、窓の下のフィンとか尾部の方とか、けっこう似ている箇所がある。UX-01はUボートの皮を被ったシービュー号だ」
「そうすると何が分かるの?」
「実は、13話のミステリーがかなり解消されてくる」
「というと?」
- 潜航時間が長くてもいい。だって原潜だから
- 群で行動しなくていい。単艦で世界を救うのがシービュー号だから
- たった一隻でいい。シービュー号は一隻きりの特別な潜水艦だから
- 主砲の存在感が無くていい。だってシービュー号には付いてないから
「えー。ずいぶん話が変わってくるじゃないか」
「そうそう。けっこう話がひっくり返る」
WHY §
「しかし、シービュー号とかスティングレイという割になぜ君には分からなかったんだよ」
「それはね。自分が考えるシービュー号のシービュー号らしい特徴の裏を突かれたことと、おそらく子供時代に作った模型は尾部がゴム回転スクリューのためにかなりデフォルメされていたと思われるからだ」
「出来の良いディスプレイモデルを本気で作ってなかったからだね」
「すみません。今さらシービュー号と思ってなめてました」
「初めて買って貰った創元推理文庫のシービュー号だから油断したね」
「ははぁ。おみそれしました」
WHY2 §
「そもそも君が考えたシービュー号の特徴って何だよ」
「窓とか丸みとかフライングサブとか潜水艦発射ミサイルとか」
「まさにUX-01に備わっていない要素ばかり!」
「と思うだろ? 実は発見した。UX-01には艦首上部にミサイル発射管×8が付いている」
「ああっ! ということは第2次大戦のUボートのイメージじゃない! やっぱり原潜だ!」
「Uボート的な記号が無いわけではないから、角度によってUボートっぽい。しかし、メインの記号はUボートではなかったわけだ」