「UX-01はUボート風のシービューでありノーチラスであるとすると、おかしなことになる」
「なに?」
「Uボート風はドイツ風。ところが、シービュー、ノーチラスはアメリカ」
「確かにねじれているね」
「実は捻れない説明を思いついた」
「なに?」
「ヤマト2199のガミラスとは、第2次大戦に戦勝し、ノーチラス相当の原潜を建造したドイツ相当ではないか」
「えー」
「だからUX-01はUボート的な記号も持つ。そう思うといろいろ辻褄が合ってくる」
「どこが?」
「デスラーは若い。ヒトラーの後継者相当」
「まさか」
「262という戦争末期のジェット相当の機体が飛んでいるのも分かる」
「第2次大戦の最盛期のドイツじゃないってことだね」
「もしそうならメルダは109とかいう番号の戦闘機に乗っていたはずだ」
「なるほど」
「更に、ドメルが戦っている敵も分かる。ガトランティスはアメリカだ。小マゼラン雲はイギリスかアフリカあたりだ」
「ひ~」
「第2次大戦に勝利したドイツはヒトラーが引退して若い後継者が引きいで、アメリカと小競り合いを続けつつ、東洋の島国にまで手を出してしまったのだ」
「つまり、デスラーはガトランティスと小競り合いを続けつつ、銀河系の地球にまで手を出してしまったのだね?」
「そうそう。そして、ドイツには大艦隊がある。第2次大戦の戦勝に伴って整備されたものだ。そして、艦隊運用の責任者はデーニッツ。順当な人事だ」
「ガミラスの大艦隊ってことだね。艦隊運用の責任者はディッツ提督」
「提督という称号は、実はノーチラスの計画を指揮したハイマン・G・リッコーヴァー提督の提督とも考えられる」
「ひ~」
「そして第2次大戦に勝ったドイツはボンクラだらけ。旧プロイセン貴族の末裔みたいなのがしゃしゃり出てくるだろうし、秘密警察は横暴。若い指導者は夢ばかり追いかける。デーニッツのような堅実な現実主義者は少数派。オカルト好きのヒトラーの影響で魔女も政府に横行」
「夢ばかり追いかけるって何さ」
「ドイツの夢はイタリア経営さ」
「は?」
「最終的に若い指導者が夢を見るのは、イタリア特にローマを完全に取り込む『大統合』だ」
「まさか」
「そして『遷都』だ」
「そもそもイタリア経営って何だよ。イタリアは国家だろう? 経営できるものかよ」
「ははは。世界史を学べ。神聖ローマ皇帝が歴代イタリア経営に熱心であったこと。とかを見てみろ」
「なんで君が世界史を知ってるんだよ」
「共通一次で世界史を選択したから」
「ひ~」
「でもね。代ゼミで、やたら人が少ない世界史の講義を受けたらこれが面白くてね」
「ホントかよ」
「ホントホント」
「じゃあ、2199のイスカンダルというのは?」
「イタリアないしローマのイメージだろうな」
「じゃあ、ヤマトが着水するのは?」
「美しい南国の地中海!」
「まさかと思うが、そこで見られるのは過去の栄光、大帝国の残骸か?」
「ははは」
すると…… §
「するとね。ガミラス本星とバランを結ぶゲシュ=タムの門はスエズ運河」
「えー」
「本来なら喜望峰回りだが、ゲートを通ればひとっ飛び。いきなり中間地点と思った場所から目的地の近くに飛べる」
「ひ~」
「とすれば、バランはカイロあたり。遺跡があって儀式ができる」
「そこまで行くのかっ!」
「行く気になれば行っちゃうみたいだ」
あるいは §
「もう1つバランの想定地として考えられる場所がある」
「どこだよ」
「ソコトラ島」
「どこにある島だよ」
「紅海に入る手前あたりにある小さい島。詳しくはレッドサン ブラッククロスのファンに聞け」
「ちょちょちょ、ちょっと待て。なんでそこでレッドサン ブラッククロスの名前が出てくるんだよ」
「架空史上ではソコトラ島でドイツと日本が激戦をやったから」
「それ以前に、ドイツと日本がインド洋で激突している時点でヤマト2199はレッドサン ブラッククロス風じゃないのか?」
「そうとも言う」
「ひ~」
「あるいは、ソコトラ島はビーメラ星相当とも考えられる」
「なぜ?」
「ヤマトはここで遺跡のゲートを発見するのだよ。つまり、紅海への入り口を発見してショートカットを開始できる」
「ひ~」
ならば §
「ならばグリーゼ581はマラッカ海峡かな?」
「ひ~」
「陸に沿って西進すると自動的にペルシャ湾に迷い込む。ここが異次元空洞だな」
「やーの」
「そしてガンダムっぽい地名のザンジバルは通過しない」
「ひ~」
まとめ §
「それでこの解釈は正しいの?」
「さあ、それは知らない」
「ひ~」
オマケ §
「RSBC的に言うと、インド洋で劣勢の日本艦隊にボコられて逃げ出す情けないイタリア艦隊はゲール艦隊のイメージだな」
「ひぇ~」
「そして、フリードリヒ大王がシュルツ艦のイメージ。烈風のロケット弾攻撃で対空兵器群が焼き払われる代わりに、グリーゼ581に焼かれて沈む」
「なんで烈風がロケット弾を」
「コルセアが対地支援をしていた朝鮮戦争的なヤーボのイメージだろう」
「ひ~」
「フリードリヒ大王最後の勝利とは、多くの関係者にヒルデ・シュルツという傷跡を残していった事だろう」
「あとは、やたらかっこいいガンツのイメージもね」
オマケ2 §
「するとヤマトも第2次大戦で沈まず近代化改装を受けた海上自衛隊の超大型護衛艦大和かもしれない」
「今度は征途かい」
「だから海自のイントネーションで乗組員が話すのはある意味で正しいかも知れない。あれは、本当は未来の宇宙の話ではないからだ」
「ひ~」
「むむ。最終回のイメージが沸いた。呉で海自の士官が話をしているのだ。最近変な妄想を見る兵士が多いと。その1人は、大和のようなヤマトに乗って宇宙を旅したと主張すると。そんな莫迦な話があるかと話をしている。しかし、最後に外を見ると呉に入港してくる超大型護衛艦大和が見えると」
「晴れた日はイーグルに乗ってどこに行く気だよ」
オマケIII §
「問題はだな。レッドサンブラッククロス。あれは日本が世界の覇権を巡ってドイツと戦い、少なくとも海上で圧倒的に勝つ。しかし、実はそのことを全く肯定的に描いていないにも関わらず、単純に日本が勝つだけで喜んでしまう単細胞読者がけっこういることだ」
「それがどうした?」
「たとえば、戦艦播磨が決定的な勝利を掴む短編。実は負けていくドイツ側と、傍観しているイギリス側の立場から主に描かれていて、日本人が勝って嬉しい話にはなっていない」
「何が言いたいの?」
「だからさ。結局ヤマト2199にも同じようなところがあって、ここまでドメルを人間らしく描いた後で、ドメルに勝って本当に嬉しい話になるのかってことだ」
「えー」
「死んだ息子も嫁さんもいて、あのドメルが死んでしまったら、ヤマトが勝っても無邪気に喜べるのかってことだ」
「それは……」
「そういう意味でも、レッドサンブラッククロスと同じだな」