事前の感想 §
「なんかもう、こういう映画はもうお腹いっぱいだからもう要らないよ。という気分だった」
「スーパーヒーロー大戦はってこと?」
「そうだね。前回のスーパーヒーロー大戦はそれなりにまとまっていたと思う、十分に完結していたと思う。これ以上同じような映画を見たいとは思わない」
「今回は宇宙刑事が増えるんだろ?」
「ヒーローをガバガバ増やしても話の収集が付かなくなるだけなので、よいことじゃないよ」
「ひぇ~」
「ただ、評判は良いみたいなので、我慢して行くことにした」
感想 §
「実際に見た感想は?」
「びっくりした。問題はあるにせよ、最低限の満足は得られた」
「どうして? スーパーヒーロー大戦はこれ以上欲しくなかったのだろ?」
「その通り」
「じゃあなんで?」
「この映画は、スーパーヒーロー大戦の続編ではなく、ギャバン映画のリベンジマッチだったからだ」
「えーっ!?」
「この映画はね。単に出てくるだけのヒーローを除外して、ストーリーに絡む人物だけに限ると実は登場人物が驚くほど少ないの。全戦隊が均等に活躍しないどころか、特定の戦隊に限っても全員が活躍しないわけ。ゴーカイジャーはシルバーだけ。ゴーバスターズはイエローだけ」
「それで?」
「実は成長して色っぽくなったヨーコちゃん個人と、組織の軋轢に苦しむギャバンが2本の軸で、最終的に2つの物語の軸が交差して終わる。特にギャバンの話がメインだ。最初に事件が描かれてその次にウィザード対ギャバンの戦いが始まる。そして、最終的にギャバンが去って行くところで映画が終わる。完全にギャバンの話だ」
「どのへんがそうなの?」
「正義を貫くために宇宙刑事ですらなくなり蒸着もできなくなる。その上で、宇宙を救うには地球を犠牲にするしかないと考えるが、シャリバンから地球を犠牲にする決定を聞かされるとそれに逆らう。完全に矛盾しているが、そこが苦悩する人間らしい振る舞いだ」
「つまり、ガミラスの捕虜を殺しに行った古代が逆に捕虜の自殺を止めるような話だね。でもなぜ今ギャバンが主役?」
「そういう意味では、煮え切らなかった去年の映画、宇宙刑事ギャバン THE MOVIEのリベンジとも受け取れる」
「ギャバンのリベンジがなぜスーパーヒーロー大戦になるの?」
「ギャバンの弱いところは、ギャバンの基本設定が根本的に古いところだ。忠実にやればやるほど甘さ、古さが際立ってしまう」
「それで?」
「そこは、長年積み上げてきた現代的なドラマとしての戦隊やライダーのエッセンスで脇を固めることで円滑に機能するわけだ」
「たとえば?」
「ウィザードのレギュラー脇役や舞台や、ゴーバスターズだね」
「最新の戦隊はキョウリュウジャーだろ?」
「キョウリュウジャーは確かに現行戦隊として顔出しで登場してロボ戦もやるのだが、少々ギャバンと並べるとノリが釣り合わない。宇宙刑事という組織と、キョウリュウジャーの世界観は上手くバランスしない。だから、同じように組織があるゴーバスターズの方が馴染む」
「うーむ」
映像的には §
「映像的には宇宙刑事のメカの描写が凄くいいね」
「ドルギラン?」
「グランドバースとかバビロスだね」
「それで?」
「普通に飛んでいるシーンがそれだけで既にいい」
「なるほど」
「余談だが、銃に変形する戦艦の銃を、巨大ロボに変形する戦艦が撃つのは良いアイデアだ」
その他 §
- フォーゼとイナズマンの関係が良く分からない。時系列が絡むがどうなんだろ?
- キカイダーの映画も作る気かね?
- 思い切って登場人物を絞った構成は勇気があり、ブレイブだ。しかし、終盤にたくさんのヒーローが出てくる終盤は明らかにやりすぎ。もう何が何やら分からない。とりあえず、1号とアカレンジャーが出てくればここがクライマックスと簡単に分かる展開もつまらない
全般的に §
「で。全体としてはどうなんだい?」
「最後をギャバンで締めたら映画として筋が通ると思ったら最後はギャバンで締めくくられた。まあ、納得はしたよ」
「面白いかつまらないかで言ったら?」
「面白い方に入れてもいいんじゃないか?」
オマケ §
「サイコロンというロボが出てくるので、サイコロ~ン・ジョーカーというネタを考えたらハッと分かった」
「なに?」
「サイコロンこそが作品のストーリーに関わるジョーカーだったのだ」
「ほんとかよ」
「しらん」
オマケ2 §
「スペースイカデビルのイカだじゃれが良かったぞ。キョウリュウジャーのブルーと対決して欲しかった」
「ひ~」