「第16話の反乱は、伊東と新見が共謀して反乱したのだが、最終的に対立した」
「うん」
「よく考えるとこの2人は立場が違う。そもそも、反乱する動機が違う」
「イズモ計画の残党じゃないの?」
「そういう単純な話でも無い」
「というと?」
- 新見・ユリーシャ不在のヤマト計画に見込みが無いと分かっていた
- 伊東・異星人が大嫌いなので、異星人などには助けられたくない
「どういうこと?」
「実は、ユリーシャの記憶を辿ってイスカンダルに行くというヤマト計画そのものが異常なのだ。常識的に上手く行くとはとても思えない。上手く行くとは思えない前提で常識的な行動に出たのが新見。そこで、新見への協力を拒否した真田の方が本当は異常」
「は?」
「だからね。真田は命令に忠実でありすぎる。その後悔は第17話になされる」
「なるほど。新見は常識人なのだね」
「一方の伊東は非常識人だ。新見の目論見が常識的な路線への修正なのに対して、伊東の目論見は異星人とも協調する現実路線の否定だ」
「そうか。そこで、異星人と協調する古代は捨てたいわけだね」
「そうだ。伊東は古代を捨てたい。でも、新見には古代を捨てる発想は無い」
「新見から見て古代進は、古代守を争う恋のライバルじゃないの?」
「殺しても良いとまでは思ってないよ」
薮の見直し §
「つまりだね。そう考えると薮が新見に荷担したことは、無理とも言えなくなってくる。徳川は沖田からの個人的な『頼む』で乗艦したから、実はヤマト計画の成否についてはあまり考えていない。しかし、薮はそれを考えて新見に荷担したのだろう」
「薮は悪人じゃないわけだね」
「それどころか、行動に合理性がある」
「じゃあ、保安部員は?」
「保安部員も同様という可能性があるね。そうすると、あまりにも多数の保安部員が簡単に伊東の行動に従った理由が分かる。保安部員は腹黒星名を除いて分裂してないんだよ」
メルダの尋問 §
「実はメルダの尋問を古代がやったとき、既に伊東と星名の差が出ている」
「メルダとわかり合えると思っている古代の態度を伊東は斜めに見ているが、星名はストレートに肯定的に見ている訳だね」
「そうそう。この差が実はクーデターの話につながってくる。さりげない伏線だったのだ」
オマケ・第12話に反乱への伏線・島スカウトへ §
「古代と島が喧嘩しているとき、新見はメガネを直して意味ありげに島を見ている」
「というと?」
「このとき、反乱に島をスカウトすることを思い付いたに違いない」
「なぜ古代ではなく島?」
「反異星人の立場は島だからな」
「なるほど」