2013年05月30日
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感想・映画「2001年宇宙の旅」

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「なんとかぎりぎり時間を作って午前10時の映画祭で2001年宇宙の旅を見てきたよ」

「そんな古い映画を……」

「ところがいろいろな意味で面白かったぞ」

この映画って…… §

「この映画はストレートに見ると解釈できないように作ってある。筋の通った解釈が出てこない。そもそも倒されるべき敵も見えてこない」

「打倒HAL9000じゃないの?」

「それが敵なら、HAL9000を無力化した時点で映画はおしまいだ」

「えー」

「実際には、映画を山ほど見て、普通の映画では何も感じなくなった人向けの締めの映画だな」

「は?」

「だから、締めのラーメン的な映画と呼ぼう」

「なんでだよ。いろいろな特撮に影響を与えた最初の映画だろ?」

「そこだっ!」

「どこどこ?」

「だからね。この映画は始祖扱いされるけれど、実はそれは完全な間違い。この映画は終着点の映画」

「最初に作られたのに?」

「違う。それ以前に膨大な優れた映画があって、長い歴史がある。そして、それらを見てきた映画ファンがいる。だから、今さら普通の分かりやすい映画なんて作ってもしょうがない。だからこそ、見ても解釈できない映画が出来上がる」

「解釈できないの?」

「実は正しいボタンを押すと急にガラガラと素直に解釈可能になる」

「じゃあ、解釈できるんだね?」

「正しいボタンを押せたらね」

「どうすれば押せるの?」

「山ほど映画を見ていたら押せるかも知れない」

「どこがツボなんだ?」

「うむ。まず実は2001年宇宙の旅という日本語訳のタイトルが既に誤訳」

「え?」

「原題は2001: A Space Odyssey。実はスペースの意味が狭く解釈され、オデッセイのニュアンスは残っていない」

「ホントに?」

「だって、実際に本格的な旅をするのは木星に行くときだけだぜ。猿は旅をしないし、ラストの部屋からも旅をしない」

「じゃあ何だよ」

「宇宙を前提とした未来神話ないし未来寓話を語ることが目的だろう。が、その場合の宇宙は星々がある宇宙を必ずしも意味しない」

「木星に行くじゃないか」

「でも、最後の部屋はあれは一種のインナースペースだろう」

手助け §

「結局、過去に聞いた解釈はぜんぜん役に立たなかった。そもそもSFとして解釈したら負けだな」

「そうか」

「唯一役立った話はこれだ」

  • よくしたり顔で解説する人がいるが、クラークの小説版の説明を語っているだけで、映画も同じ解釈とは限らない

「じゃあ違うの?」

「おそらくな」

クラシック §

「宇宙はクラシックが似合うという人がいるけど、あれは嘘」

「なんで?」

「この映画でクラシックが似合っているのは、そういう風に作ってあるから。何をしても似合うわけでもない」

「ぎゃふん」

ビジュアル §

「ドーナッツ型宇宙ステーションのビジュアルが凄い」

  • 光と影で立体感が出ている
  • 影の部分に窓を並べ、巨大感、スケール感が良く出ている。人が見えなくてもサイズが良く分かる
  • 二重のドーナッツでもう1つは建造中。フレームが見えてビジュアルに変化が付いている。内部構造も見える

「ビジュアル的にはほぼ満点をあげよう」

「古い映画だろ?」

「一部模型っぽく見える特撮もあるのでそこは割り引く必要があるけどね。それを除けばほとんど完璧」

「そんなに誉めていいの?」

「今どきの映画から本当に必要では無い要素を全て引くと、2001年宇宙の旅のビジュアルになるよ」

解釈 §

「実はね。よく見るとモノリスから知恵をもらう描写って無いの」

「骨が使えるようになったじゃないか」

「でもそれ以前から猛獣から隠れているとか、そういう知恵を発揮しているわけ」

「骨の使い方を発見するまでは時間の問題ってことだね」

「そうだ。そして、宇宙船は骨の進化形でしかない。だから白くて細長い。ビジュアル的に宇宙船は骨なんだ」

「えー」

「そしてHAL9000とは、進化した骨そのもの。進化した骨が人を殺そうとするが、そこで骨を超克して捨てることで【骨使い】の次のステージに入れる。そこで、ボーマンは老いてモノリスになる。そして、新しい生命の誕生を見守るわけだ」

「ボーマンが新しい命になるのではないの?」

「あのシーケンスは実はよく見ると、ボーマンが見たものが次のボーマンになり過去のボーマンが消える。ところが最後にボーマンが見たのはモノリスでモノリスの前にあるのが赤ん坊。ところが赤ん坊が出てもモノリスは消えない。つまり、モノリスまではボーマンだが赤ん坊だけはボーマンではないと解釈できる」

「本当に?」

「知らんぞ。おそらく違う解釈もできるだろう」

「ぎゃふん」

オマケ §

「2001年チルドレンは多いのだが、単なるディスカバリーの模倣に過ぎなかったり、あまり本質が伝わっていない気がする」

「ダメってこと?」

「強いて言うと、スペース1999の第1シーズンが思索的でちょっとマシかもしれない。あとはサイレントランニングとかも良い線を行っているかも知れない」

「つまりどういうこと?」

「ハードなメカが見どころと見せかけてもっと思索的な世界を描かないと、本物の2001年チルドレンとは言えないってこと」

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