「明日放送は2199第9話だ」
「時計仕掛けの虜囚だね」
「オルタが出てくる」
「そうだね」
「実はね。とりあえず普通の人には、これだけ見ておけ、という言い方をしている。そこで面白いと思ったら続きを見てもいいし、関係ないと思ったらそのままでもいい」
「えっ? ヤマトを君も見ようじゃないの?」
「嗜好品に過ぎないアニメだぞ。全ての人が同じアニメを面白いと思うのはおかしい」
「そこまで言い切るのか」
「そうそう。言い切る。当たり前。そういう意味でヤマトは好き嫌いは激しい作品で当たり前。特に2199になるとヤマトファンにも好き嫌いが出る」
「でも、なぜ第9話を特に指定する訳?」
「うむ。理由はいくつかある」
- 本格的にヤマト1974を離脱する最初のエピソードである
- 本格的に2199オリジナルのキャラが活躍する最初のエピソードである
- しかし、真田とアナライザーも活躍し、完全に離脱している訳ではない
- 戦闘がほぼ存在しない
- 演出に力が入っている。映像的にも美しい
- 登場する艦載機が百式空偵ただ1機であり、過剰に複雑ではないが、十分に面白い
「つまり、要約するとどういうことだい?」
「ヤマト2199は第8話まではほぼヤマト1974の航路をトレースしているのだが、実はこれはヤマト1974に忠実に進行するという意思表示ではない。ヤマトから離脱する訳ではないが、フィルムにならなかった要素が入り込んできたり、いろいろな要素が絡み合って違う世界がどんどん見えてくる。問題はその違う世界をどう受容するか。もっとも悪いのは、ヤマトはヤマトだから見なくても分かっているという誤解」
「なるほど。見なくても分かっていると思われるのが最大の問題ということだね」
「そう。だから見て好きだ嫌いだというのは正しい流れ」
「嫌いというのも?」
「そう。アニメはしょせん嗜好品だから好きじゃないと言うのも自由。でもね、見ないで想像で決めつけるのはフェアじゃない。そういう意味で象徴的な1本をとりあえず見ろというのは悪いことではないはずだ」
オマケ §
「生々しいね」
「1974年当時、見ないで想像で決めつけるという行為をされたからね」
「えー。ホントかよ」
「だって、たかが小学生が『あんな幼稚なアニメを見ている』と同じ小学生を糾弾したのだぞ。じゃあ、それを言った相手がヤマトを見て言ったのかと言えばおそらく見ていない」
「なぜ見ていないと想像するわけ?」
「同じ時間に放送されるハイジを見ていた可能性が高いからだ」
「ぎゃふん」